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O plus E誌 2021年5・6月号掲載
 
映画サウンドトラック盤ガイド
   
 

■「至上の愛 ~チャーチ・コンサート~ <完全版>」
(ワーナーミュージック・ジャパン)

   
 
1999年発売の輸入盤 今回発売の国内盤
 
 
  短評欄の『アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン』のライブ音源であるが,厳密にはサントラ盤ではない。映画化は断念されたが,選ばれた14曲がLPレコード2枚組の「Amazing Grace」として1972年中にリリースされ,当時から国内盤には表記の題名がついていた。アレサの最も売れたアルバムであり,史上最高のライブゴスペル盤と評価されている。
 1999年に2晩の公演全体がリマスターされ,公演日単位でのCD 2枚組(14曲+13曲)の「Amazing Grace: The Complete Recordings」が発売されている。今回映画の公開に合わせて再発売された国内盤も同じくこの全27曲で,かつての題に<完全版>を付したものとなっている。映画中で使用されたのは,エンドクレジットも含めて,1日目の夜9曲,2日目の夜5曲の計14曲である。曲数はLP盤と同じだが,選曲は異なっている。
 聴きものを挙げればきりがないが,まずは1日目に歌われた表題曲“Amazing Grace”だろう。16分余の熱唱である。両日で登場する“What A Friend We Have In Jesus”は,コーラスとの掛け合いが素晴らしい。我々が結婚式で歌う賛美歌「いつくしみ深き」と同じ曲とは思えぬ大胆なアレンジで,Alan JacksonやKenny Rogersのゴスペル・アルバムでのカントリー調ともかなり違う。Carole Kingの“You’ve Got A Friend”で歌い出し,後日Mahalia Jacksonの葬儀でも歌った“Precious Lord, Take My Hand”へと続けるメドレーも話題の1曲だ。神を友と考える人生の応援歌だという解釈である。いずれも全盛期の完璧な歌唱で,ゴスペルの名盤に相応しい。
 アレサの父・Rev. C. L. Franklinのスピーチは8分弱あり,CD2枚目の11番目に収録されている。両日とも,クロージングの演奏曲にGeorge Harrisonの“My Sweet Lord”を使っているのも興味深い。
 
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