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(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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VFX意欲作だが,この映画は2Dで観た方がいい | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
米国大統領選の年のせいだろうか,第16代大統領エイブラハム・リンカーンにまつわる映画が目白押しだ。短評欄に別掲の『声をかくす人』は,彼の暗殺犯たちの裁判がテーマであり,スティーヴン・スピルバーグ監督の大作『リンカーン』が大統領選直後の公開を控えている(日本では,来年4月公開予定)。リンカーン大統領が南軍のゾンビ集団を退治するB級ホラー『Abraham Lincoln vs. Zombies』(12)もあったようだが,さすがに日本での公開は見送られたようだ。そのゾンビ映画と紛らわしいのが本作『Abraham Lincoln:The Vampire Hunter』である。ティム・バートン製作の歴史ダーク・ファンタジーで,VFX満載の3D作品というから,果たしてどんな邦題になるのかと楽しみにしていたら,当たり障りのない平凡な題で登場した。低俗ゾンビものとの混同を恐れたためだろうか。 キャッチ・コピーでは「昼は大統領,夜はヴァンパイア・ハンター」と謳われている。大統領が吸血鬼なのではない。子供の頃,母親をヴァンパイアに殺されたエイブラハム少年が,長じて大統領となり,何千年も生きる闇の勢力と闘うという復讐劇である。勿論,全くのフィクションであり,19世紀の南北戦争当時の歴史描写は付け足しに過ぎない。実際それが中途半端なので,いっそ満月の夜になると大統領がヴァンパイアに変身する方が面白かったかと思う。もっとも,セス・グレアム=スミスの原作小説があり,本人が本作の脚本も担当しているので,そんな設定にはできっこないが……。 監督もティム・バートンかと期待したが,彼は製作だけで,ロシア人のティムール・ベクマンベトフが起用されている。ロシア映画『ナイト・ウォッチ』(04)『デイ・ウォッチ』(06)で注目を集め,ハリウッドに渡り,アンジェリーナ・ジョリー主演の『ウォンテッド』(08年9月号)を撮った,あの監督である。A・リンカーンを演じるのは,これが初の大作主演となるベンジャミン・ウォーカー。アクションもこなし,結構演技力もありそうだが,風貌がリンカーンらしくないのが,最大の欠点だ。ヒロイン役のメアリー・エリザベス・ウィンステッドも含め,主演の男女が少し魅力に欠ける。 とはいえ,CG/VFXとしてはかなりの意欲作であり,当欄としては,3D化に関しても語っておきたい作品だ。以下,その論評である。 ■ まずは,1854年当時のワシントンD.C.の再現シーンで,VFXの威力を感じる(写真1)。この場面の3D化もなかなかいい。バートン作品の『アリス・イン・ワンダーランド』(10年5月号)と同様,2Dで撮影し,後で3D変換する「フェイク3D」だが,他作品が「リアル3D」に移行する中で,最近では珍しいとさえ言える。撮影の自由度を重視し,進化した事後3D変換技術に頼ったという理由だが,プレビズはBazelevs,フェイク3D変換はTechnicolor Hollywoodが担当している。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ その他,19世紀の都市を描いたインビジブルVFXも多用され,とりわけニューオーリンズ港の光景は秀逸だ。大きな建物と大群衆 (写真2) ,リンカーンが多数の馬の群れの中を疾走するシーン(写真3),燃え盛る列車の上でヴァンパイアと戦うアクション・クライマックスも,当然VFXの産物である。主担当はMethods Studios者で,副担当にWeta Digital,その他SOHO VFX,Spectrum Effects, Spin VFX,Spectrum Effects等が参加している。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ この種のVFXシーンの大半はグリーンバック撮影で,人物以外はデジタル合成だから,疑似的に視差をつける3D化はそう難しくない(写真4)。個々に観ると「フェイク3D」も進化したなと感心する場面も数多くあった。ところが,映画全体では,この3D効果が誇張され,頻出するので,煩わしく感じた。擬似3Dの引け目があるのか,その効果を気にして,多用し過ぎた失敗作と言えるだろう。音響的には,ヴァンパイアの叫び声も音楽も騒々しい。2Dで,あまり大音響でない劇場で観る方が不快感は少ないと思われる。 |
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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