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O plus E誌 2006年6月号掲載
 
    
 
その他の作品の短評
  (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。)  
   
   ■『GOAL!』:サッカー選手を目指す青年のサクセス・ストーリー3部作の第1弾だ。本作は英国プレミア・リーグが舞台だが,次回作は欧州チャンピオン・リーグ,最終作でドイツW杯がFIFA公認で映像化されるというから,サッカー・ファンならずとも見逃せない。単純明快なスポ根物語だが,嫌みはなく,観客席の興奮が伝わって来るようで心地よい。
 ■『花よりもなほ』:『誰も知らない』(04)で一躍注目を集めた是枝裕和監督の5作目にして,初の時代劇だ。ご当人は「ブームだから」と言うが,山田洋次作品の成功も影響しているのだろう。松竹京都撮影所内に作られたオープンセットには,日本映画界の伝統を感じる。主演はV6の岡田準一と宮沢りえ。頃は元禄,江戸のボロ長屋の住人たちの生態は,ドキュメンタリー出身のこの監督にとっての新しいリアリズム表現だ。赤穂浪士を見事にコケにしているのも新鮮で,新感覚の時代劇になっているのが嬉しい。
 ■『初恋』:三億円事件の実行犯は18歳の少女だったとする中島みすずの青春小説の映画化作品。少女の淡い恋と心の傷を描いているのだが,あまり切なく感じない。1960年代後半という時代背景は東京版『パッチギ』(05)だとも言えるが,それほどのパワフルさはない。主演の宮崎あおいは故本田美奈子を想い出させる。
 ■『インサイド・マン』:スパイク・リー監督が描く頭脳的銀行強盗事件。着想は面白く,3大スターの共演もまずまずだが,ちょっとテンポが悪く途中で少しだれる。予測不能な結末と気を持たせるが,宣伝文句ほどでもない。社会派監督には,こうしたエンターテインメントは向かないのか。
 ■『ハチミツとクローバー』:原作は『ハチクロ』と略称される少女向き恋愛コミック。TVアニメも人気を博したので,ここで一気に映画化もという算段のようだ。美大の学生男女5人が織りなす青春ドラマだが,どうも筆者にはピンと来なかった。これは少女マンガが肌に合わないのか,もはや青春映画に対する感性の劣化なのか,それとも美大生というちょっと異次元の学生に対する拒絶反応なのだろうか。
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