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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2007年10月号掲載
   
  『スキャナー・ダークリー』
 1枚もので,特典はわずかだ。「スキャナー・ダークリーができるまで」(約26分半)には,原作者フィリップ・K・ディックの1977年のインタビューがあり,実の娘も登場するのが興味深い。「アニメーション制作」(20分余)は,この絵画調映像のメイキングだ。アニメ化する前の実写での色選択や背景選択等の苦労話がある。制作過程が他と違う分だけ,当欄としては情報的価値はあるが,語りは冗長だ。
 
   
  『007/カジノ・ロワイヤル』
 もちろん2枚組。「ジェームズ・ボンド誕生までの物語」(26分余)は,新ボンド決定までのプロセスと撮影経過。「生身のジェームズ・ボンド」(23分余)は,スタントシーン中心のSFXのメイキング。クレーンの上での撮影シーン,アストン・マーティンの7回転シーン,空港での間一髪離陸とパトカー横転など,息を飲む。沈む家のシーンの解説は短めで,CGの用途の話も欲しかったが,満足度は大だ。「ボンドガールは永遠に」(全約50分)は,歴代の相手役女性を順に登場させる。長年のファンには嬉しい企画だが,後半は少しだれる。
 
   
  『エラゴン 遺志を継ぐ者』
 2枚組でDisc 2に特典は多数あるが,物語世界の地図に埋め込んである。探しにくく選びにくく,この方法は感心しない。メイキングは6章からなる。「ドラゴンの誕生」(約11分)で,ILMのドラゴン作りの様子,特に目の表現や照明の工夫が分かる。「サフィラのアニメーション・バイブル」では,20人のアニメータが動きをつける時に,グレン・マッキントッシュの絵が役に立ったことが語られている。他は見る気がしない。
 
   
  『シャーロットのおくりもの』
 1枚もの。徹底して子供向きで,特典メニューまで平かな中心だ。撮影日誌の紹介,ブタや他の動物の調教の様子,動物たちのその後の引き取り手など,盛り沢山だが幼稚だ。あの充実したCG/VFXの解説を期待したのに,これじゃあんまりだ。
 
   
  『モンスター・ハウス』
 2枚組。Disc 2は大きく3つのパートに分かれ,いずれも充実している。「モンスター・ハウスの舞台裏」は,全7章(各2?7分)あるが,とりわけパフォーマンス・キャプチャの様子がよく分かる。かなり大掛かりなスタジオで収録している。「リアルにする方法」(6分余)はCGの制作工程で,雲台とレバーで仮想カメラを操作できる環境が用意されている。なるほど,実カメラらしいアングルと動きになる訳だ。「オープニングシーンができるまで」(3分弱)は,マルチアングル・モードを使って,制作過程が分かるようにしてある。
 
   
  『守護神』
 1枚もので,特典映像も多くない。「メイキング・オブ・守護神」(11分余)は普通の作品紹介,撮影風景のメイキングで,VFX解説はわずかで予想通りだ。訓練も撮影も過酷な感じはするが,ただそれだけだ。「もうひとつのエンディング」(約3分)は,予備で用意された安直なハッピーエンド版だが,これでなくて良かった。
 
   
  『デジャヴ』
 こちらも特典はわずかだが,中身は濃い。「監視の窓」がメイキング映像で,カメラワーク,スタント,メイク等の9項目からなる(全部で30分余)。「フェリーの爆発」はカメラ16台で撮影している。レーザースキャナでのデータを使った透視的映像作りが面白い。「時空を超えたカーチェイス」のメイキングも興味深い。
 
   
  『ナイト ミュージアム』
 2枚組。特典は多様だが,面白いものとそうでないものと格差が大きい。「生物多様性展示ホール」は3部構成で,ちょっとお軽い監督が自ら案内役を務める。「生き返った博物館」にVFXシーンの本番撮影風景等がある。
「駅馬車ギャラリー」も多数の項目に分かれている。「絵コンテから映像へ」(約10分)では,監督が描いた絵コンテがどう仕上がったかがよく分かる。「博物館作りの工程」(7分余)は,まるで本物の博物館かと思う大型セット作り。すごい金のかけ方だ。
「監督までの道乗り」(25分余)は,FOX-TVの番組。インタビューに答える監督は饒舌すぎるが,結構まともな映画製作論,業界論になっている。
 
   
 
   
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