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DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2007年2月号掲載
   
  『男たちの大和/YAMATO』
 邦画のDVDは,本編だけの普及版かマニア向けの高価なボックスの両極端だ。止むを得ず8,190円もする3枚組特別限定版を買った。特典映像は計328分もあるが,大半はスタッフ&キャスト紹介,監督対談,生存者インタビューなどで時間を稼いでいる。見どころは総工費6億円の「戦艦大和ロケセット映像」(14分弱)くらいだが,これとて撮影風景,セット制作風景,美術担当の話程度で,もっとコンパクトにできる。長いだけで工夫が感じられない。この値段を出して,これだけか。
 
   
  『Vフォー・ヴェンデッタ』
 2枚組だが,最近にしては特典の種類は少ない。平凡なメイキング,原作コミックの紹介,歴史的背景の解説(各10分余)は定番だが,「近未来をデザイン」(約17分)が比較的優れていた。ロケ地のベルリンを20年後のロンドンに見せる美術班の苦労話は面白く,ミニチュアの爆発シーン等,一見の価値はある。
 
   
  『アイス・エイジ2』
 1枚もので,特典映像はほとんどない。新キャラのエリー(牝の象),クラッシュ&エディ(袋ネズミの兄弟)の紹介や,短編映像はあるが,子供向きだ。少しは最新CGのメイキング解説が欲しかったし,人気者スクラットも再登場させてもらいたかったところだ。
 
   
  『ポセイドン』
 2枚組。「メイキング」(23分弱)の中身は濃い。目玉であったオープニングCG/VFXシーンの解説もしっかり入っている。他に甲板の広さの場所がなく,ダムで撮影したという。大型セットでの撮影には,ワイヤーアクションも炎も大量の水もあり,スパイダーカムや大型クレーン等も活躍している。再現不能のシーンが多いので,スタント俳優は使わず,俳優本人に演技させ,マルチカメラ(5台)で順撮りしている。水圧で窓が順次割れるシーンの徹底的した準備や撮影風景は圧巻だ。
「さかさまの世界」は巨大船の逆さセット作りの美術班の苦労話,「ポセイドン体験記」は女性助手の撮影同伴体験記で,映像業界をめざす若者にはためになる。
 
   
  『ダ・ヴィンチ・コード』
 2枚組。Disc2は連続再生すると2時間余で,予想通り。監督・原作者インタビュー,主要登場人物の人物像を介して,映画の概説と背景となった世界の解説だ。
「ダ・ヴィンチ・コードに隠されたコード」は,映画中に監督が仕込んだ暗号の解説で,観客への挑戦と言える。DVD特典で解説することを全体とした企画だ。本欄にとっては,撮影やVFXの苦労話もなくつまらない。
 
   
  『M:i:III』
 2枚組。特典映像は両ディスクに及び,Disc1にある「メイキング」(29分弱)は全編にわたるアクション撮影の解説で楽しい。上海のジャンプシーンのVFXも,シータンでスパイダーカムを使った疾走シーンも圧巻だ。Disc2も盛り沢山で,「プレビズ」(約10分半)の有用性を製作者であるトム・クルーズ自身が語る。「変装のミッション」(8分余)は,変装マスクの製造機の発想や実現方法の解説だ。こんなマシンは実在しないが,ありそうに思わせるデザインが出色だ。「M:i:IIIのアクション」(26分弱)では,トム・クルーズ自身が演じるスタントの数々。撮影現場やそのセッティングは興味深い。風車の中をヘリが飛ぶシーンが,実演だったとは驚きだ(模型のヘリの合成もあったようだが)。
 
   
  『カーズ』
 1枚もので,特典の種類は少ない。「カーズ誕生のきっかけ」で,御大ジョン・ラセターが企画の原点となった体験と思い入れを語っている。準主役のメーター(オンボロ・レッカー車)を主役にした短編「メーターと恐怖の火の玉」が入っているのは嬉しいが,Pixar社の心意気を示す最新CG技術の解説が全くないのは淋しい。
 
   
  『サイレントヒル』
 2枚組。Disc2には大きく2つの長短メイキングがある。「Path of Darkness: Making」(1時間弱)には,「キャスティング」「街のデザイン」「スターとスタント」「クリーチャー」等のメイキング解説。長さの割に冗長で,あまり情報はない。「The Making of Silent Hill」は14分余で,長い予告編といった感じだ。
 
   
  『ユナイテッド93』
 1枚もの。メイキングとして「United93:遺族と映画」(約1時間)がある。遺族取材の生の声,試写を観て語った遺族の声で,胸を打つ。VFXは勿論なく,管制官等の取材,撮影に関するメイキングも欲しかったが,この映画の趣旨からしたら,上記だけで十分だろう。
 
   
 
   
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