head
title home略歴表彰学協会等委員会歴主要編著書論文・解説コンピュータイメージフロンティア
| INDEX | 年間ベスト5 | DVD特典映像ガイド | SFXビデオ観賞室 | SFX/VFX映画時評 |
DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2006年2月号掲載
   
  『ポーラー・エクスプレス』
 最近には珍しく,2枚組DVD発売は劇場公開から丸1年も経っている。これは,クリスマス商戦に合わせてのことだろう。「見たことのある顔たち」は,トム・ハンクスのパフォーマンス・キャプチャの様子。「ポーラー・エクスプレスへの切符」は子供向きに語るCGメイキングだが,前者と少し重複している。「パフォーマンス・キャプチャ」「バーチャル・カメラ」「ヘアメイクと衣裳」等に分かれていて,メイキングとして良質だが,各2分以下で,もう少しボリュームが欲しかった。ジョシュ・グローバンが歌う主題歌「ビリーブ」のステージシーンとメイキングは結構見ものだ。
 
   
  『ハウルの動く城』
 2 枚組で, Disc 2 では絵コンテと完成映像で全編約 2 時間をたどっている。他はインタビューと予告編程度だ。絵は素晴らしく,今やそこそこ 3D-CG 技術も駆使しているのだから,もっとメイキング情報を見せてくれてもいいのに,相変わらずジブリは出し惜しみする。
 
   
  『ブレイド3』
 2枚組。Disc 2の「ブレイド3の舞台裏」は,撮影・衣裳・編集・美術・スタント・サウンド等,18項目に分かれているが,全部観ると1時間46分もかかる。「12. 崩壊の美学の追求?視覚効果」は約4分半で,ヴァンパイアが倒されて灰になるシーンが中心だ。「ギャラリー」の中にも「視覚効果プロセス」(3編)がある。
 
   
  『キングダム・オブ・ヘブン』
 勿論 2 枚組。「 A&E 特番」(約 44 分)は歴史考証中心,「歴史 VS. ハリウッド」(約 43 分)はハリウッドが保管している武器の解説中心で,いずれも長い。「インタラクティブ・プロダクション・グリッド」は,「監督」「スタッフ」「キャスト」×「プリプロ」「プロダクション」「ポスプロ」の 9 通りをマトリックス状の画面から選べるが,全部見たら 83 分かかる。歴史物ゆえの衣裳・撮影・音楽等の話題も豊富だが, VFX は主として「スタッフ」×「ポスプロ」の約 11 分間の中ににある。リドリー・スコット監督は VFX の使い方を熟知しているし,その効果的な用法にスタッフもよく応えている。
 
   
  『サハラ』
 2 枚組の割には中身は薄い。「サハラの映像化」(約 20 分)が 1 番ましだが,映画の後半あれだけあった VFX の解説がほとんどない。もう少しサービスしろや。
 
   
  『戦国自衛隊1549』
 2 枚組。 Disc 2 のメニューは新聞の TV 番組欄風の趣向は面白いが,あまり見やすくない。全 153 分の特典映像というが,こちらも中身は濃くない。「 VFX な世界」(約 10 分)は,マルチアングルで「素材」「仮合成」「完成映像」が見られるが,多数の VFX シーンをただ繋げただけで,解説はない。まるで楽しくない。
 
   
  『バタフライ・エフェクト』
 本編での VFX シーンは特筆するに足るレベルではないのに, Disc 2 に「特殊効果解説」(約 16 分)があった。低予算映画で,モーション・コントロール・カメラが使えず苦労したというだけの話だ。
 
   
  『スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐』
 勿論 2 枚組。「メイキング」は 1 時間 18 分。アナキンとオビ=ワンの決闘シーンを題材に,映画の製作工程を解説してくれる。ランダムには見られないが, 33 のチャプタに分けてあるのは親切だ。後半第 19 章以降が VFX の出番で「 3D マッチムーブ」「マット画」「ライティング&レンダリング」の章などもある。「選ばれし者」(約 14.5 分)はアナキン・スカイウォーカーからダース・ベイダーへのプロセス。「リアルさの追求:エピソード 3 のスタント」(約 11 分)は,トレーニング,リハーサルの様子がよく分かる。スタントマンの顔だけ CG とすげ替えるのが印象的だ。「 Web ドキュメンタリー」はネット上で公開されていたもので 16 編もある。
 
   
  『宇宙戦争』
 2 枚組。映画はつまらなかったが,特典映像は盛り沢山で充実している。 SF の創始者 H ・ G ・ウェルズや 1953 年版『宇宙戦争』に対するS・スピールバーグ監督の思い入れがよく分かる。制作日記は 4 つのパートに分かれていて,全部で 90 分以上もある。これも『キング・コング』や『 SW EP3 』同様,貴重な記録だ。
 「外敵をデザインする:トライポッドとエイリアン」(約 14 分)が VFX 解説の中心だ。「プレヴィジュアライゼーション」 ( 約 8 分)では,現場でのひらめきを重視していたスピルバーグが,ジョージ・ルーカスの勧めで PreViz を利用するようになり,今ではすっかりハマり込んでいるのが分かる。映画作りは,いま大変革期だ。
 
   
  『アイランド』
 1枚もので,何も特典はなし。大作で CG ギンギンだったのに,この版しか売ってない。そりゃないだろ!
 
   
  『亡国のイージス』
 2枚組。キャストとスタッフのインタビューが主だが,「VFX of AEGIS」がしっかりあるのは嬉しい。「VFXスタッフ・インタビュー」は約21分もあるが,中身は薄い。「CG徹底分析」(約19分)は17ものシーンの合成過程を見せてくれる。丁寧だが,日本のVFX界の実力はこの程度なのかと分かってしまう。
 
   
  『ロボッツ』
 1枚もの。音声解説やインタビューの他は,「ファンおばさんのお尻ツアー」なる短編アニメのみだ。この短編も本編も,映画を大スクリーンで見た時より,この DVD を PC の画面で観た時の方が遥かにキレイだ。レイトレーシングの描く金属の光沢感が素晴らしい!
 
   
  『マダガスカル』
 2 枚組だが, Disc 1 に主要な特典が入っている。「メイキング」( 23 分)は製作過程の概略紹介で,「マダガスカルの CG 技術」(約 5 分)ではコンピュータ環境までが語られる。火と水の表現が素晴らしい。
 Disc 2 は「ペンギン大作戦」なる短編( 12 分)とそのメイキングやゲームなど。この種のギャグは好き嫌いがあるだろうが,ギャグ好きには面白いだろう。
 
   
  『銀河ヒッチハイク・ガイド』
 特典は多彩で Disc 1 と Disc 2 に分かれている。「メイキング」(約 57 分)は多分テレビの特番で,さほど面白くない。映画同様に特典映像も破天荒で,「パニクるな!(メイキングのメイキング)」(約 26 分)などは,筆者にはとてもついて行けなかった。
 
   
 
   
  Page Top  
  sen  
 
back index next
 
   
<>br