head
title home略歴表彰学協会等委員会歴主要編著書論文・解説コンピュータイメージフロンティア
| INDEX | 年間ベスト5 | DVD特典映像ガイド | SFXビデオ観賞室 | SFX/VFX映画時評 |
DVD特典映像ガイド
   
O plus E誌 2005年10月号掲載
   
  『カンフーハッスル』
 メイキングは,TV特番の約42分もの。ダラダラしていて締まりがない。VFX解説は33分からの約5分間。内容的にはまぁまぁだが,もっと面白くても良かった。
 
   
  『Mr. インクレディブル』
 勿論2枚組で,特典映像は多彩なだけでなく,色々工夫されている。『ジャック・ジャック・アタック!』は,赤ん坊のジャックが活躍す短編番外編。「トップ・シークレット」の「Mr. インクレディブルと仲間たち」(約4分)は古典アニメ風のお遊び映像だが,その音声解説にで,本編の声優(サミュエル・ジャクソンなど)を登場させるなど,贅沢な遊びだ。「未公開シーン」が6つもある。監督の解説つきで,日本語吹替え音声まで入っているとは,そのサービス精神に恐れ入る。
 「メイキング・オブ…」は27分余。相変わらずスタッフの楽しそうな仕事ぶりが印象深い。「もっと,メイキング・オブ…」は,「ストーリー」「キャラクター・デザイン」「サウンド」等,10項目に分かれているが,全体では約40分間。「CG で描く主人公たち」の髪の毛,肌と照明も素晴らしく,「ライティング」は大学のCG講義に使えるほどだ。「ソフトウエア開発」も興味深い。「ユニバーサル・マン」を変形して多数の脇役を作るプロセスには,なるほどそうだったのかと納得する 。
 
   
  『エイリアン vs. プレデター』
 Disc 2の主要部は「プリ・プロダクション」「プロダクション」「ポスト・プロダクション」の3部構成だが,「ポスト…」の中に「VFXの舞台裏」(約30分)があり,これが結構充実している。
 監督は徹底した本物主義で,大半はボディスーツかパペットの実写映像を使ったというが,随所にCGも使われている。両者の激しい対決シーン,20mのジャンプ・シーン,エイリアンのい群衆シーン等の他に,エイリアンの尻尾だけCGのシーンもある。ハガー(エイリアンの幼虫)の激しい動きはほぼCGだが,模型を作ってその質感をテクスチャ・マッピングしたり,実物をセットに持ち込んで照明の映り込みを確認するという,アナロク,デジタルの併せ技の産物だ。
 透明で周りを反射するプレデターは,従来作品では写真的透明合成だったが,今回はCGだ。CG表現が登場しない実演シーンもきめ細かくPreVizされていて,技術進歩と最近の映像技術の進歩が実感できる特典映像だ。
 
   
  『アレキサンダー』
 2枚組。Disc 2にメイキング・ドキュメンタリー「Fight Against Time」(約76分)と「撮影風景」(約13分)がある。中身は濃い。本編もそうだが,この映画は特典映像観るのにも,かなりの忍耐がいる。
 
   
  『シャーク・テイル』
 レンタル品でないのに,他の映画の強制的予告編が延々と続くのが不愉快だ。特典映像も遊び心,ゲーム感覚で作られているが,もう少し素直にメイキングを見せて欲しい。CG技術の進歩も知りたいのだから。
 
   
  『ネバーランド』
 1枚もの。メイキングは16分。別途VFX解説は約3分。劇場シーン,ネバーランドのシーン等,VFXの使われ方も大人しく,解説もこんなものだろう。「メイキング」で,他の作品の映像が多々出て来るのは驚いた。せめてものサービス精神だろうか。
 
   
  『フライト・オブ・フェニックス』
 1枚もの。「驚異のVFXで放つ,ド迫力エア・パニック」というステッカーが貼られていたが,VFXの解説はなかった。「撮影日誌」(約40分)は撮影風景の生々しさが上出来で,監督が怒鳴っているのが印象的だ。
 
   
  『ロング・エンゲージメント』
 2枚組。Disc 2の冒頭にある「ロング・エンゲージメントの裏側」は約73分の特番映像で,チャプターに分かれているのが親切だ。VFXが多用される「レ・アール市場」の場面で,監督と主演のオドレイ・トトゥがPreViz映像を観ながら「もう君は要らないな。俳優を読み込んで,CGで作ればいい」「監督も要らないわ。ジュネ風にプログラミングすれば,コンピュータで操作して出来上がり」と語り合っているのが爆笑ものだ。
 「ドキュメンタリー:パリの裏側」(約13.5分)では,多数のオープンセット,マット画を使われていて,デジタル技術が重要な役割を果たしているのが分かる。「ドキュメンタリー:爆発の前…」(約12.5分)はPreViz, VFXを含むメイキング映像で,いずれも見どころを押さえた良質の特典映像だ。
 
   
  『ローレライ』
 廉価版のStandard Editionでも2枚組で,価格の割に特典は結構充実している。「メイキング」(約36分)は,撮影風景を順に追っているだけだが,「7mミニチェア製作ドキュメント」(5分余)は見応えがある。エイジング処理の様が興味深いが,映像とBGMだけでなく,音声解説が欲しかった。「ベースモデル製作 海洋堂」(15分半)は製作者の語り中心だが,やや長い。
 お目当てのCG/VFXは,「プレビジュアライゼーション」で8編計20分間たっぷり見せてくれる。でも,これはVFXメイキング・プロセスであって,PreVizと呼ぶべき代物ではない。いま 改めて観ても海中シーンのCGはいい出来だ。この作品は,スタッフの巧みな技を引き出しておきながら監督の演出が全くダメで,映画をぶち壊しにしている。潜水艦は描けても,人間が描けていない。
 
   
  『アビエイター』
 Disc 2「メイキング・オブ・アビエイター」の中の「特殊効果」(約12分)は,VFXスーパバイザ,ロブ・レガートの解説で見応えがある。丁寧な説明と映像 で,VFX教本にもなる。巨大輸送機ハーキュリーの飛行風景にはもちろんデジタル処理の活躍場面だが,元となる映像はミニチュア模型とラジコンを屋外の水面上に持ち込んで撮影したというのに感心した。ハリウッド大通りのシーンも,通り丸ごと模型が作られている。
 ハワード・ヒューズのドキュメンタリー(約43分)も興味深かった。数々のエピソードが,すべて実際にフィルムとして残っている。この映画は,その残存映像に基づいて描かれているので,2つの映像をじっくり見比べるのも面白い。
 
   
 
   
  Page Top  
  sen  
 
back index next
 
   
<>br