アクションの基本要素のつなぎ合わせ


 アクションシーンにMR-PreVizを適用する場合,映画によっては制作期間の関係からアクションデータの作成が間に合わないことや,MR-PreViz時にアクションシーンを試行錯誤しながら考えたいといったケースが考えられます.
 そこで,我々はアクションを動作ごとに分解し,これらを基本要素と定義し,組み合わせることで新たなアクションシーンを作り出すことを目指しています.
 まず,その第一段階として,対象とするアクションを剣戟に限定し,アクションコーディネータのアドバイスのもと,基本要素に分解することを試みました.分解した基本要素は,プロのアクション俳優に演じてもらい,モーションキャプチャと3次元ビデオで収録することによってアーカイブしました.アーカイブしたデータは接合部分のキャラクタの姿勢を「構え」の姿勢に統一して収録することにより,接合の際に違和感が軽減されるように考慮しています.
 また,3次元ビデオデータとモーションキャプチャデータの両データ形式に合った接合を実現するため,モーションキャプチャデータは骨格情報を利用して接合をおこない,3次元ビデオデータはメッシュ情報より,キャラクタの中心部を求め,中心を利用して接合を行うという手法を考案しました.
 今後は,モーションキャプチャデータのみの接合に絞り,さらなる違和感の軽減を行うとともに,役者の演技を生かした接合を考案していきます.