O plus E VFX映画時評 2025年4月号掲載

その他の作品の論評 Part 2

(注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています)


(4月前半の公開作品はPart 1に掲載しています)

■『私の親愛なるフーバオ』(4月18日公開)
 韓国製の動物ドキュメンタリー映画で,「フーバオ」は韓国生まれのジャイアントパンダの名前である。『カンフー・パンダ』シリーズのようにパンダが登場するアニメ映画は多数あるが,実写映画は驚くほど少ない。犬やイルカのような演技はしてくれないので,ドキュメンタリーが大半であり,それも中国製か中国との合作が中心となる。それを承知の上でも,日本国内で劇場公開された映画となると記憶にない。近年,米・中・英合作の『ディズニーネイチャー/ボーン・イン・チャイナ -パンダ・ユキヒョウ・キンシコウ-』(18)なるドキュメンタリー映画があったようだが,劇場公開はされずにビデオスルーになったようだ。という訳で,全編で愛らしいパンダの姿が観られる純韓国製の本作は,大いに楽しみにした。
 フーバオは,2020年7月20日に韓国の「エバーランド」内で自然繁殖により生まれた雌のパンダであり,「幸せを与える宝物」を意味する名前だ。漢字表記は「福宝」である。24年4月に中国に返還されるまでの1394日間の飼育記録とのことだが,映画は2016年3月3日に両親のローバオ(楽宝)とアイバオ(愛宝)が中国から送られて来た時の映像から始まり,特に返還前の3ヶ月間が克明に描かれている。ほぼずっとフーバオに寄りよって登場するのは「フーバオのおじいちゃん」として知られるカン・チョルウォン飼育長だ。両親に「お父さん」として接したから,フーバオには「おじいさん」という訳である。
 アイバオの出産シーン,即ちフーバオの誕生シーンも登場する。噂には聞いていたが,驚くほど小さい。どんどん大きくなっている過程が特に愛くるしい。中国に返還日が決まってから逆算した対策は,ここまで配慮するのかと思う気配りの数々である。とりわけ,一般公開の最終日の大混雑は10数名の飼育員チームにとっては一大イベントだった。エバーランドを出発し,特別機に載せ,中国四川省のジャイアントパンダ保護研究基地に到着するまでカン飼育長は同行する。その道中に感極まって涙するシーンには,観ている側ももらい泣きしそうになる。こういう映画を観ると,飼育員になりたい若者も増えることだろう。
 監督は韓国人のシム・ヒョンジュンで,MV作品で何度もダッグを組んだLA出身のトーマス・コーが共同監督として参加している。上記の返還までの間にも,後から生まれた双子の妹・ルイバオ(蕾宝)とフイバオ(輝宝)の映像が登場する。こちらも頗る愛くるしい。まるでバオ一家は5匹で仲良く暮らしていたかのように錯覚してしまったが,双子はフーバオ返還後の7月7日生まれであるので,映画公開までに撮影した映像を挿入したようだ。
 これを機に,他の国での繁殖例を調べた。米・独・仏でも実績があるようだが,そう多くない。抜群の実績を誇るのは,和歌山県白浜にある「アドベンチャーワールド」だ。筆者が訪れた時には7匹いたが,2023年に3匹を返還したので,現在は4匹とのことだ。同ワールドの飼育記録はTV特番で何度か放映され,SNS上で公開している日々の映像もあるようだが,是非,過去の記録も含めて,完成度の高い映画として観たいものである。
[付記]本稿掲載後,中国との共同プロジェクトが今年8月で終了するため,アドベンチャーワールドの現在の4匹の中国への返還が決定したとの発表があった。残念至極だ。6月頃に出発するという。かくなる上は,本作に負けない立派な記録映画を撮って欲しい。

■『パリピ孔明 THE MOVIE』(4月25日公開)
 題名中の「孔明」とは,三国志時代の英雄で天才軍師・諸葛孔明のことである。様々な伝記小説,軍紀小説の題材となっているのは言うまでもないが,映画ではPart 1で触れたジョン・ウー監督の『レッドクリフ Part I 』(08年11月号)『同 Part II -未来への最終決戦-』(09年4月号)がスペクタクル大作であり,金城武が演じていた。前に「パリピ」なる若者用語らしきものが付く以上,真当な歴史映画ではないと想像したが,その天才軍師がなぜか現代の渋谷に転生する物語であった。
 となると,原作は和製コミックであり,「THE MOVIE」があるからには,既にアニメ化,TVドラマ化されているものと思われた。案の上,原作は,四葉タト(作),小川亮(画)で「週刊ヤングマガジン」に連載中の人気コミックであった。この種の映画は,別の時代にタイムリープして来た当初のドタバタ劇が楽しいのだが,それはスキップされていて,既に諸葛孔明(向井理)がその歌声に惚れ込んだ若手歌手の月見英子(上白石萌歌)のマネージャーとして敏腕を振るっているという設定で始まる。即ち,2023年11月からフジテレビ系列で放映されたTVドラマシリーズの続編という位置づけである。ちなみに「パリピ」は「Party People」の略で,パーティ好きで,大勢で飲んで騒ぐのが好きな人物だそうだ。「ギャル語」としては,なまって「パーリーピーポ」と発音した上での略語なのだろう。
 監督の渋江修平も主要登場人物もTV版からの継続登板である。即ち,上記2人の他に,自殺しようとした英子を救ったBBラウンジのオーナー小林(森山未來),天才ラッパーのKABE太人(宮世琉弥),英子の憧れの歌姫・マリア・ディーゼル(アヴちゃん),孔明の主君・劉備(ディーン・フジオカ)らは同じ役で再出演し,詩羽はTV版とは違うシンガーソングライターshin役で登場する。新登場で,孔明の最大のライバルとなるのは,司馬懿(仲達)の末裔・司馬潤(神尾楓珠)だ。著名な諺「死せる孔明生ける仲達を走らす」のあの宿敵「仲達」である。
 孔明は音楽で天下泰平を目指していたが,日本を代表する3大音楽レーベル「KEY TIME」「SSSミュージック」「V-EX」が頂点を競う史上最大の音楽バトルフェス「Music Battle Award 2025」を開催するため,孔明と英子も参戦を決めた。そこに立ちはだかるのが,司馬潤と妹のshinという構図である。ベースはコメディであるが,中盤以降は完璧な音楽バトルとなる。その出来映えが上々だった。
 ステージに登場するのは,9人組グローバルグループ「&TEAM」,ヒップホップユニット「KOMOREBI」,ダンスグループ「アバンギャルディ」等だったが,いずれも全く知らなかった。知っていたのは,映画での主役出演があった「三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE」の岩田剛典くらいだ。映画試写室の音響で聴くと,どれも素晴らしく聴こえる。ステージ上のライヴパフォーマンスも絶品で,6千人のエキストラで埋めた会場は正に圧巻だった。なぜか演歌の水森かおりも派手な衣装で登場する。これは別収録した映像をご愛嬌に挿入したのだろう。落雷による停電シーンはCGによる演出だと見て取れた。ともあれ,楽しい映画であった。

■『花まんま』(4月25日公開)
 主演の男女は初共演の鈴木亮平と有村架純。少し年齢差があるので,今更若者向きの単純なラブストーリーではないだろうと思ったが,兄妹役だった。さほど期待せずに観たのだが,感動のヒューマンドラマだった。文句なしに今年観た邦画のBest 1で,少なくとも3回は泣ける。昨秋以来,東映配給作品は時代劇も現代劇も力作が多いが,本作が秀逸過ぎたため,相対評価で『35年目のラブレター』(25年3月号)の評点を下げてしまったくらいだ。
 原作は朱川湊人の同名短編小説で,同作を含む短編集が2005年上期の直木賞受賞作である。試写観賞後に一気読みしたが,文庫本で僅か60ページ弱だった。短編集の6編はすべて大阪の下町が舞台で,超常現象が登場するファンタジーだ。監督は前田哲で,過去作の大半に原作小説がある。前作『九十歳。何がめでたい』(24年6月号)はコメディタッチが楽しかったが,結婚式で終わる人間ドラマとしては『そして,バトンは渡された』(21年Web専用#5)があった。長編小説を圧縮するよりも,短編を膨らませる方が格段に自由度が高く,映画化には好都合だ。
 東大阪の他に滋賀県の彦根から南に向かう近江鉄道路線の駅周辺が舞台である。関西弁や細部の描写が見事で,関西人が泣いて喜ぶ映画だ。筆者もその1人だが,「花まんま」なる言葉は知らなかった。子どものままごと遊びで作った「花のお弁当」だそうである。
 主人公は下町の工場で働く加藤俊樹(鈴木亮平)と大学勤務の妹フミ子(有村架純)で,幼い頃に両親を亡くし,2人で暮らしていた。父親と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を常に意識して生きてきた俊樹は,まもなく妹が同じ大学の助教・中沢太郎(鈴鹿央士)と結婚することになり,肩の荷を降ろせる思いだった。ところが,結婚式の前日,フミ子が22年間隠し続けていた秘密が発覚して戸惑い,激しく妹を責める。
 小学校入学前,高熱を出したフミ子には,無差別殺人で落命した23歳のバスガール「繁田貴代美」の記憶が乗り移った。その記憶を頼りに滋賀県彦根の繁田家を探し当てるが,フミ子が貴代美の父・仁(酒向芳)に手渡したのは,幼い頃の貴代美がよく作った「花まんま」だった。俊樹は二度とフミ子は繁田家に会わせないと宣言して,2人は大阪に戻る。その約束は守られていなかった。そして「プレゼントを持っていく」との言葉を残して出かけた俊樹は,結婚式場に姿を見せなかった……。
 結末は大体読めるが,単純な結婚式サプライズではない。原作は結婚式前夜が少し登場するだけで,ほぼ子供時代の物語だ。工場や行きつけのお好み焼き屋,俊樹の幼馴染の駒子(ファーストサマーウイカ),フミ子の婚約者の学者は登場しない。それを上質の家族ドラマに拡張した上で,バナナ騒動やカラスとの会話の不発等でしっかり笑わせてくれる。ホテル名の間違いや出産入院時の前を横切る救急患者等の伏線もきちんと埋め込まれていた。
 原作者,監督,加藤兄妹とその子役,山田製作所の社長(オール巨人)と工員,お好み焼き屋「みよし」の大将(オール阪神)と娘・駒子,繁田家や近隣住民の全員がほぼ関西出身者だ。繁田仁役の酒向芳は岐阜県出身だが,彦根と岐阜県は近いので許せる。そうでないのは婚約者役の鈴鹿央士(岡山県出身)だが,地方大学出身者の設定なので問題はない。何しろ全員の関西弁が完璧だ。「兄やん」「フミ子」の抑揚の正しさは,関西人以外には理解できない。細心の拘りでは,お好み焼き屋のメニュー,フミ子の子供時代の髪形,大阪環状線や近江鉄道の車輌を過去と現代で使い分けていることだ。大阪環状線に古い列車を走らせたとは考えにくく,これはVFX加工なのだろうか。
 貴代美の兄・繁田宏一は京都大学教授であり,仮名ではなかったので,繁田家のある「彦根花室駅」も実名だと思ったのだが,近江鉄道にそんな駅は実在しなかった。駅舎は「日野駅」,列車に乗るシーンの撮影には「高宮駅」を使っていたようだ。他のロケ地は,ツツジ満開の公園が京都の「蹴上浄水場」と「明石海浜公園」,商店街が近鉄奈良線の「布施商店街」,結婚式場が「神戸ポートピアホテル」等々で,スタジオ内撮影が「東映京都撮影所」と,関西圏に徹底している。
 この綿密さゆえに,(少しネタバレになるが)感じた矛盾も指摘しておこう。自らの結婚式が近づくにつれ,結婚式前日に死亡した繁田貴代美の記憶がフミ子から消えて行くのはSFとして辻褄が合っている。それならば,加藤フミ子として体験した繁田家との文通,命日の夜に繁田家に宿泊したこと,翌朝のことは覚えているはずだ。もはや繁田家を思い出せないのは矛盾している。
 鈴木亮平演じる兄の頑なさに煩わしさを感じたが,それが却って最後の盛り上がりに繋がっている。有村架純は誰でも務まる役に見えて,飄々とした態度に好感が持てた。その他の演技では,フミ子の子役と駒子役のファーストサマーウイカの存在感のある関西女が絶品であった。俊樹と駒子が結婚しないのかと思うが,そこまで入れないのが粋であった。本作を機に,原作にはない駒子を主人公にしたサイドストーリー小説「花のたましい」を原作者・朱川湊人が執筆し,既に出版されている。きっと前田監督はファーストサマーウイカ主演でこれも映画化することだろう。

■『異端者の家』(4月25日公開)
 原題は『Heretic』。昨年暮れのGG賞ノミネート作発表時に,M/C部門の主演男優賞の候補作であることを知ったが,この英単語の意味は知らなかった。しばし別項の『HERE 時を越えて』と混同していたくらいだ。ようやく国内公開予定と邦題を知って,少し意外だった。かつて「ラブコメの帝王」と呼ばれたヒュー・グラントが,ホラー映画の主人公で「悪役」「恐るべき異端者」だという。
 映画雑誌やネット上の紹介記事は,映画の内容よりも,彼のイメージチェンジに焦点を当てていた。今月号Part 1の『ブリジット・ジョーンズの日記 サイテー最高な私の今』では,もはやBJの恋のお相手役ではなく,元カノを側面からサポートする心優しいダンディ男だった。『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(23年12月号)では,何とチョコ泥棒の小人ウンパルンパを演じていた。敵役もいくつかあったが,本作は特別で「恐怖の館で訪問者を待ち受ける悪魔のごとき男」らしい。
 モルモン教の修道女2人,シスター・バーンズ(ソフィー・サッチャー)とシスター・パクストン(クロエ・イースト)は布教のため,森の一軒屋を訪れる。ドアを開けた気さくな中年男リード(H・グラント)は言葉巧みに2人を家に招き入れる。パイを焼いているはずの妻は一向に姿を見せない。修道女たちの宣教に対して,彼は「どの宗教も真実とは思えない」と持論を展開する。不穏な空気を感じた2人は「教会から呼び戻された」と帰ろうとするが,玄関の鍵は閉ざされていた。携帯電話も通じない。帰るには「神を信じるか,否か」の扉の選択を強いられたが,いずれを選んでも同じ地下室に通じていた。そこで2人で恐ろしい光景を目にする。果たして,2人は生きて脱出することができるのか…。
 主人公のリードは「好人物に見え,優しげな笑みを浮かべる男」「天才的な頭脳を持つ男」と形容されていたが,そうは見えなかった。「小狡そうで,何か企んでいる口先男」としか思えなかった。一方,内向的だが冷静なバーンズと外向的で純朴なパクストンという2人の描き分けには成功していた。独善的で弁舌巧みな中年男に若い女性が抗することができず,次第に窮地に追い込まれて行く展開には説得力があった。宗教論争を別にしても,一般にありそうな出来事である。
 監督・脚本は,幼馴染みで親友同士のスコット・ベックとブライアン・ウッズ。『クワイエット・プレイス』(18年9・10月号)の脚本で注目を集めた脚本家コンビである。幼い頃から直面したくなかった「死への恐怖」をカルト宗教映画として描くことを選んだという。ホラー以前に,宗教的なセリフが多い映画であった。米国ユタ州を中心とするモルモン教自体も,キリスト強の中では異端的な存在のはずだが,「唯一絶対の宗教」を巡る議論は,キリスト教やユダヤ教の信者には興味深い話題で,西洋人向きの映画として作られている。筆者はこの宗教論争には全く興味がなかった。平均的日本人の大半はそうだろう。それが分かっていたゆえ,配給会社はこの主演男優初の本格的悪役をウリにしたのだと思う。

■『JOIKA 美と狂気のバレリーナ』(4月25日公開)
 これまで多数のバレエ映画を紹介してきた。個人的にはバレエ自体にそう興味はないのだが,スポーツ選手並みか,それ以上の身体能力を必要とするバレエは,映画にとって興味深い素材だからである。ドキュメンタリーでもドラマでも絵になる。『バレエボーイズ』(15年9月号)『コール・ミー・ダンサー』(24年11月号)等の男性ダンサーの映画もあったが,女性ダンサーが主役の映画が圧倒的に多い。対象としては,パリ・オペラ座のバレエ団や英国ロイヤルバレエ団が多く,これまでロシアのボリショイ・バレエ団はスパイ映画内で少し登場していただけである。本作は,この伝統あるバレエ団を真正面から捕え,米国人女性として初めて正式ソリスト契約を結んだダンサーの実話ベースの物語である。
 15歳の米国人少女ジョイ・ウーマック(タリア・ライダー)は,スカウトされて単身ロシアに渡り,バレエ団付属のアカデミーに入学する。彼女は正式団員に採用されるだけでなく,最高峰のプリマになることを夢見ていた。厳しいトレーニングは覚悟していたが,常人には理解できない完璧を求める教師ヴォルコワ(ダイアン・クルーガー)は脅迫的なレッスンや過酷な減量をジョイに課した。さらに,仲間からの陰湿ないじめに遭い,罵詈雑言を浴びせられる。最優秀の成績ながら,米国人という理由だけで,ボリショイ劇場でのバレリーナリストからは外された。夢を諦めないジョイは,恋愛関係にあった男性ダンサーのニコライ(オレグ・イベンコ)と政略結婚し,ロシア人扱いとなる。そして,晴れの公演の舞台に立ったジョイを待ち受けていた運命は……。
 これまで観た多数のバレエ映画の中でも,ボリショイの練習風景は格別で,息を飲む凄まじさだった。実話であるので,目的を達成する結末は分かっているはずなのに,思わず展開に見入ってしまう。では,ジョイに同情し,感情移入して観てしまうかといえば,そうでもない。彼女は強烈な自信家であり,まさに狂気と言える執念で突き進んで行く。同情している余裕すらなく,むしろ外野席から醒めた目で観てしまった。誤解を恐れずに言うなら,「長い伝統があるとはいえ,ロシアのような嫌われ国のバレエ団は目標にするほどか?」「パリやロンドンじゃ満足できないのか?」,さらには「たかがバレエじゃないか」(これは映画中に登場する人物のセリフ)の思いであった。好きになれない主人公であったが,サイコサスペンス映画としては成功していた。
 監督・脚本は,ニュージーランド人のジェームス・ネイピア・ロバートソン。彼の『ダークホース』(14)は,日本では福岡国際映画祭で上映されただけで劇場公開されなかったが,世界的に高い評価を受け,30以上もの賞を受賞している。本作の最大の成功要因は,主演にT・ライダーを起用し,個性的な演技を引き出したことだと思う。彼女はデビュー作『17歳の瞳に映る世界』(21年7・8月号)では,従姉の中絶手術に同行する準主役であったが,主演のシドニー・フラニガンと共に,「この2人の女優の今後に注目しておきたい」と評していた。S・フラニガンにはその後目立った出演作はないので,T・ライダーの方が先に大役を射止めたことになる。

(以下,4月後半の公開作品を順次追加します)

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