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あちこちで,色々な映画を思わせるシーンがあって楽しかったです。 |
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全体としては『マトリックス』を思い出しますよね。長いコートを着せたり,弾丸を止めたりするなら,いっそのけ反って弾を除けるマシンガン撮影もパロディとしてやって欲しかった(笑)。『シュレック』も,フィオナ姫にカンフー・アクションさせてましたしね。 |
山崎 | マシンガン撮影で時間を止めるより,むしろサイボーグ009風の加速装置をやりたかったんです。 |
 | それがミリが未来から持って来たソニックムーバーなんですね(写真1(a))。 |
 | ダグラの指は『E.T.』,兵士の中に小さなエイリアンが入っているのは『MIB』,宇宙へ帰るシーンは『未知との遭遇』,ジャンボ機が下からぬっと現われるシーンは『トゥルー・ライズ』を思い出しました。 |
山崎 |
あんまり『E.T.』は意識しなかったけど,全体的に『未知との遭遇』の感じはありますね。エイリアンが中にいるのは,『MIB』というより日本のロボット・アニメですよ。よく中に人間が入っていて,日本人なら分かる場面でしょう。 |
 | スミマセン。日本のアニメは不勉強でして(笑)。 |
山崎 | ジェンボ機のせり上がりも,『トゥルー・ライズ』(94)というより,戦闘へリの『ブルー・サンダー』(83)がずっと先にやってたんです。 |
 | これも不勉強で申し訳ありません。 |
 | 戦闘機やジャンボ機が派手に変形しますが,あれは全部CGなんですか? |
山崎 | 静止している部分は,模型にテクスチャを貼った場面もありますが,ほとんど全てCGと考えてもらっていいです。海外ではテクスチャのためだけに模型を作ることがあるみたいですが、僕らはそこまではできないですね。その辺は事情の違いが出ますね。 |
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ジャンボ機のCGはなかなかいい出来でしたね(写真1 (b))。でも,何でジャンボ機なんですか? |
山崎 | 宇宙人が常に偵察してるんだけれど,それを視覚的にステルスしているという意味を込めてるんです。何か事件があると必ずその場所にいるんだけれど,皆が不思議に感じない存在というか…。 |
 | そう言えば,何度も見かけて変だなーと感じてたんですよ。CGのエイリアンの感じは『ジュブナイル』とよく似ていますね。 |
山崎 | デザイナーが同じだし,マッピングする人も同じだから,そう感じるのかも知れません。まあ,僕のことですが(笑)。 |
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風力発電用の風車もCGですか? |
山崎 | あれは本物ですよ。ファンタジー的な場面として,ロケ地を随分探して千葉県にあったんです。 |
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ハハハ,何か不自然でCGっぽく見えました(笑)。筑波の宇宙開発事業団(NASDA)の建物の壁面の文字が「NIOS」になっていたのは,デジタル処理で書き換えたんですね? |
山崎 | そうです。名前をそのまま使えなかったので。 |
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「国立宇宙開発研究所」でしたっけ。 |
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その名前が嘘っぽいんですよ。今国立研究所はどんどん廃止されて,ほとんど独立行政法人になっているのです。もうすぐ国立大学も全部そうなります。 |
山崎 |
それは知らなかった。不勉強でした(笑)。
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インタビューでこんな話題が出るのは,当映画評くらいでしょう(笑)。
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