head
titlehome略歴表彰学協会等委員会歴主要編著書論文・解説コンピュータイメージフロンティア
| INDEX | 年間ベスト5 | DVD特典映像ガイド | SFXビデオ観賞室 | SFX/VFX映画時評 |
title
 
O plus E誌 2002年9月号掲載
 
 
『インソムニア』
(アルコン・エンターテインメント作品
/日本ヘラルド映画配給)
 
 
    
 オフィシャルサイト日本語][英語  2002年8月14日 日本ヘラルド試写室  
 [9月上旬全国松竹・東急系にて公開予定]   
     
 (注:本映画時評の評点は,上からの順で,その中間にをつけています。) 
  
 白夜が舞台のリメイク作品 
  『メメント』のクリストファー・ノーラン監督の最新作だというので,何をおいても足を運んだ。まだ3作目だというのに,アル・パチーノ,ロビン・ウィリアムズの両名優に,『ボーイズ・ドント・クライ』(99)でアカデミー賞主演女優賞をとったヒラリー・スワンクを加えたオスカー俳優3人のメガホンをとるのだから,大変な出世だ。ただし,今回は彼のオリジナル脚本ではなく,1997年製作のノルウエーの同名映画のリメイクだ。
 アラスカの小さな町で白夜の晩に起きた少女の猟奇殺人事件に,ロス市警から2人の刑事が応援に駆けつける。ドーマー刑事(A・パチーノ)は罠をかけて犯人を海辺の小屋におびき寄せるが,濃霧の中を追跡中に,誤って相棒のハップを射殺してしまう。その事故を自分のミスと言い出せないまま,連夜不眠症に陥る彼のもとに,ハップの死の「目撃者」となった少女殺しの犯人(R・ウィリアムズ)から取引きの電話が入る……。
 結末は大体予想できるので,見せ場は両雄の心理戦の演技だ(写真)。主題であるドーマー刑事の焦燥感にあまり感情移入できなかったのは,R・ウィリアムズの見事な悪役振りに注目し過ぎていたからだろう。
 () 
   
 
写真 見せ場は両名優のからみ(どっちが悪役に見えますか?)  
 
   
 自然に勝るCGなし 
 
「インソムニア」って不眠症なんですね。私はノルウエーのトロンハイムに行ったことがあるのですが,確かに夜もどんよりしていて寝つけなかったです。
私は夏至の頃フィンランドに行って白夜を体験しましたが,太陽が沈まないので暑くて参りましたね。でも,アル・パチーノの演じるドーマー刑事は不眠症だというのに,あまり眠そうじゃなかったですよ。
そうですか? もともとああいう顔のせいか,いつも眠そうでしたけど(笑)。むしろ,寝てないはずなのに,老体であれだけよく走るなと感心しました。
ハハハ,アクション・シーンはスタントマンでしょうけどね。舞台はノルウエーからアラスカに移してましたが,氷河や滝のシーンは素晴らしかったでしょ。
街は田舎でしたが,山は素敵ですね。冒頭の氷河の上の飛行は息を飲む美しさでした。あの飛行機のシーンは合成ですか?
いや,あれは本物でしょう。
あら?! じゃ,この映画のVFXはどこに?
そんなもの,全然ありませんよ(笑)。最近のメジャーな映画で,これだけないのは珍しいくらいです。
広大な景色は大抵合成じゃないんですか?
それは,撮影条件に困る場合か,手頃な雄大な背景がなく,止むを得ずマット画に頼る場合です。この映画のようにロケにたっぷりお金をかければ,デジタル合成など要りません。「自然に勝るCGなし」です。
一生懸命探して観てたのに……(笑)。
  (この作品の役は,初登場の編集部のAさんでした。)
 
   
  
 Page Top 
 sen 
 
back index next
 
   
<>br