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DVD特典映像ガイド
  
O plus E誌 2001年6月号掲載
 本欄での各映画のVFX解説については,制作サイドからのメイキング情報もあれば,業界情報の噂として漏れ聞くもの,試写を見て筆者らが想像・分析しているだけのこともある。どの場合でも,それを裏付ける適当な写真がない場合には,なかなか読者には真意が伝わりにくいかと思う。
 何ヶ月か後には特撮専門雑誌Cinefexに詳細な記事が載るが,一般にもVFXメイキング情報を知る有力な手段が現れた。DVDの販促のために本編以外についている特典映像である。映画ファンの興味を引くべくあの手この手のボーナスで,VFXのメイキング映像はその目玉となっている。写真でなく動画であるだけで有り難いのに,何度でも繰り返し確認でき,制作者のコメントまでついているのだから,SFX/VFXファンとしては実に喜ばしい。
 DVDでのVFX解説にはいくつかのパターンがある。
 (a) 本編とは別立ての特典映像の中に,スタッフ&キャスト紹介,予告編,オリジナル・スケッチなどと並んで入っているケース。これが一番多い。
 (b) 本編を再生しながら,要所々々でVFXメイキングに飛び,本編に復帰するパターン。『マトリックス』が代表的だが,最近この方式はあまり見かけない。
 (c) DVDのマルチチャンネル機能を活用し,副音声で監督や撮影監督が本編を見ながら制作過程を解説するパターン。生の声を聞けるのは有り難いが,映画全編をもう一度見るので時間がかかるのが難点だ。
 懐かしの名画も次々とDVD化されているので,それじゃかつての特撮技術が種明かしされているかといえば,これはほとんど期待できない。付いているのは,せいぜい予告編かポスターくらいだ。『インデペンデンス・デイ』『MIB』など若干の例外もあるが,以前はあまりメイキング映像を残そうとしてなかった。DVD商戦が米国で本格化したのは1999年の下半期であるから,特典映像の存在が日常化されるのはこの頃からだ。まさに本欄の連載開始の時期である。
 
   
 
 特にオススメ 
   
 
 『マトリックス』
 DVD普及の牽引役となっただけあって,(a)(b)両方式で,VFXメイキングも充実している。ここでも記念碑的存在。
 
  
 『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』
 質量ともに充実。各種VFX制作バリエーションを教科書的に解説。
 
  
 『ワイルド・ワイルド・ウェスト』
 特典映像も悪くないが,(c)方式でのB・ソネンフェルド監督の解説が秀逸。映画作りの舞台裏がよく分かる。
 
  
 『ミッション・トゥ・マーズ』
 映画はつまらないが,このVFXメイキングは役に立つ。アニマティックスと完成映像の比較が面白い。
 
  
 『ジュブナイル』
 10種類のメイキング映像はサービス精神満点。舞台裏が楽しい。
 
  
 『インビジブル』
 「特殊視覚効果シーンの裏側」に加えて「VFX映像の比較(ビフォア&アフター)」もあり,充実している。
 
  
 
   
   
 まずまず 
   
 
 『スチュアート・リトル』
 (a)「視覚効果の裏側」は量的にはわずかだが,CGの進行プロセスがよく分かる。視覚効果担当のJ・ダイクストラとG・チェンの音声解説(c)が価値がある。
 
  
 『パーフェクト ストーム』
 19:52もの長編メイキング。VFXの解説だけ別にして欲しかった。
 
  
 『グラディエーター』
 上に同じだが,さらに長い。
 
  
 『パトリオット』
 8つのVFXシーンの解説があるが,字幕がなく,パンフレットに和訳が載っているだけなのが残念だ。
 
  
 
   
   
 VFX特典映像 
   
 

 『奇蹟の輝き』『ディープ・ブルー』『007ワールド・イズ・ノット・イナフ』『U-571』『M:I-2』『X-メン』 など,メイキング映像ではあっても,撮影風景,裏話等が主で,VFX解説はほとんどないか,全くない.字幕すらない場合もある。購入時には,特典映像の長さや種類だけに惑わされず,何が入っているか注意すべきだ。

 
  
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