プロフィール | |
年齢,出身学部 | |
コンピュータ歴(インターネット,パソコン,汎用機,UNIX使用歴) | |
問 1 | 御社でホームページを管轄する部署はどこですか?(複数回答可) |
問 2 | 御社のウェブマスターは何人ですか? |
問 3 | ウェブマスターの役割を下記からお選びください。(複数回答可) |
問 4 | 現在御社のホームページでは以下の技術に対応(もしくは対応したコンテンツを提供)していますか?(複数回答可) |
問 5 | 御社のホームページ上では下記のコンテンツに必要を感じますか?(複数回答可) |
問 6 | 一日に平均して何時間くらいウェブマスターとしての業務を行っていますか? |
問 7 | ウェブマスターの仕事は好きですか? |
問 8 | あなたはウェブマスターとしての業務以外に,インターネットを1日に平均何時間使っていますか? |
問 9 | よく使われるサイトはどういう種類のサイトですか?(複数回答可) |
問10 | あなたは,個人的に有料のサイトを利用していますか? |
問11 | 個人的に興味のあるサイトを教えてください。 |
問12 | 2000年における日本のインターネットユーザー数はどの程度と思われますか? |
問13 | インターネット広告の今後についてどのようにお考えですか? |
問14 | インターネット上での有料情報サイトに関してどのようにお考えですか? |
問15 | インターネットについて,お考えのことをなんでもお答えください。 |
どんな人たちなんですか?
湯川 20代〜30代が6割以上で,これは予想通りです。役割の重要な割には若いと言えますね。圧倒的に男性で,女性は数%です。
業務内容は,コンテンツの更新,質問への回答や関係部署への転送が主ですね。平均使用時間は2時間36分で,4時間以上が1/4を占めます。10時間以上も3%もいました。
それはウェブマスター専従ということですね。
湯川 8割以上の人がウェブマスターの仕事が好きだと答えています。所属部署としては,広報・宣伝と調査・企画の合計で約半数を占めます。新商品や販売店の紹介といった,新しい広報・宣伝メディアとしてWWWを使っているところですね。
一方,その他の回答の中には,情報システム部やマルチメディア推進室といった名称も少なくなく,企業内情報化や新規事業担当部署が担当しているわけです。
草の根的にボランティアがやっていたのが,だんだん役目として確立してきたということですね。
湯川 大企業ほどオーソライズされた形で担当がいますね。ボランティアの比率は減っているものの,やはり相対的にインターネットの先進ユーザーでしょう。さすがにコンピュータ歴は長く,汎用機歴20年以上,UNIX歴10年以上という人も少なくありません。それにつれてインターネット歴も長いようです。
ご意見番で一家言ある連中が多いんですよ。
湯川 その彼らの意識で意外だったのは,「個人的に有料のサイトを利用しているか?」に対して82%が使っていないと答えたことです。66.8%が何らかの形で有料情報サイトが普及すると答えておきながら,自分たちはほとんど使っていないのです。
有料に値する情報がないということでしょうか?
湯川 それもあるでしょうが,UNIX畑出身の人達には,「情報はタダ」という意識が強いのかも知れません。ユーザー・アンケートでは課金に対する不安がかなり上がっていましたから,この点が解消されれば有料サイトを使う人は増えると思います。いまのところ,有料情報の大部分はアダルト系ですが…(笑)。
それじゃウェブマスターの役目の間は利用しませんよ。真っ昼間に会社でそんなの見ているわけには行かないでしょう(笑)。
(1) | 巨額投資の割に見返りがない。 → もっと無駄な投資を今までしてきたのではないか? |
(2) | デジタルマネーによる電子取引は成立しない。 → VISA,MASTER,NTTデータ通信がほっておかない。他社に取られるくらいなら,自らが進んで促進させるだろう。 |
(3) | インターネット上では広告市場が形成されない(ネットサーファーは消える)。 → 成立する。日本には広告を受け入れる環境がある。 |
(4) | 高速通信回線は電話会社が独占し,価格低下を阻害し,WWWは窒息する。 → 回線を独占していると,電話会社の方が先に窒息する。 |
(5) | ネットワークの安全性には欠陥があり,イントラネットが拡大する。 → 基本的にはYes。ただし,人々はネットワークの呪縛から逃れられない。 |
(6) | 標準化の争いにより,Internetworkingの価値は低下する。 → デファクト・スタンダードに乗らないリスクを企業は痛感している。 |
(7) | TCP/IPは過度に増大する利用に堪えられない。 → 一時的なバーストはあり得る。がIPv6等で順次対応。 |
(8) | プライバシー問題の煽動化により,Internetに対する反動がおこる。 → 反動は既に起こっている。Digital Enclosure。 |
(9) | Internetは動画処理に失敗する。 → フラクタル・イメージャーなど強力な圧縮アルゴリズムが開発されている。 |
(10) | ポルノ論議により,ポルノページが減少し,Internetの崩壊を促進する。 → ポルノは重要なコンテンツだが,1つのフックに過ぎない。 |
それじゃ,中島さんと変わらないじゃないですか(笑)。最近,つくづく自然発生的に広まったもののイナーシャの大きさを感じるんですよ。当初のHTMLやhttpの枠組を急には崩せなくて,技術者が苦労して苦労して,動画対応をしているんです。それを,楽観的に何とかなるだろうと言われるとねぇ。
湯川 私は技術系の「はしくれ」として,標準化という枠組みの中での進歩を信じているんです。そういう意味での楽観ですから…。
確信の度合いは違うにせよ,大局的に考えてそうなってしまうから癪なんですけれどね(笑)。
湯川 メトカーフに対抗して,「湯川の10の予言」(表3)というものを作ったんです。
(1) | インターネットは,世界最大のマスメディアになる。 |
(2) | 人々は,インターネット広告を受け入れる。 |
(3) | 電子メールが,コミュニケーションの重要なツールとなる。 |
(4) | ウェブサイトに貴重な情報は載らなくなる。 |
(5) | インターネットは,情報格差を助長する。 |
(6) | 人々はネットワークの呪縛から逃れられない。 |
(7) | ジャンク・電子メールが社会問題になる。 |
(8) | エレクトリック・コマースの成功の鍵は,技術でも資金でもなく人である。 |
(9) | インターネットは紙の使用料を増加させる。 |
(10) | いかに優秀なエージェントを創るかが,成功の秘訣である。 |
どれどれ…。
何となく感覚的には分かるんですが,もうちょっと説明して下さい。4番や6番はどういう理由からですか?
湯川 かつては,インターネットにしかない貴重な,すばやい情報がありましたね。今では,ウェブ上でもメジャーな情報は,マスメディアが提供することが多くなり,インターネット独自の情報が欠如しつつあるというか…。それが4番の意味です。
ゲリラ的なサイトもなくなりはしませんが,マスコミに押されて目立たなくなっているんでしょう。
相対的に見て,インターネットの個性がなくなりつつあるということですね。
湯川 6番は,ネットワークの便利さを一度味わってしまったら,その魅力から逃れられないという意味です。電子メールのない生活には,もう逆戻りできないでしょう?
ウェブより,電子メールのもつ麻薬性をおっしゃっているんですね。
湯川 逆に受け取る側の身になると,携帯端末ができたおかげで,出張中でも休暇中でもお構いなしに追いかけてきます。
私は出張中も携帯電話で電子メールを音声化して聞いています。週末もついついメールボックスを覗いてしまいますね。
湯川 いま,大蔵省にいて,1時間おきに電通総研から転送されてくるメールをチェックしています。
中毒症状,禁断症状ですね(笑)。10番のエージェントは,何をやってくれるエージェントですか?
湯川 自分に必要な情報,有益な情報だけを取捨選択してくれる代理人です。自分の感覚に近く,判断処理に優れたエージェントを作れるかが,これからの鍵だと思うんです。
これは予言というより,課題であり目標ですね。