研究グループ
Gr.1:映像通信フレームワークとリアルワールドメタバース
「いつでもどこでも手軽に」複合現実感(Mixed Reality; MR)を体験可能にすることを目指します.多数の自動車やドローンから映像データを取得し,車両・端末間で相互利用する仕組みの実現を目指しています.また,相互利用する仕組みを活用して,周辺車両などの障害物で隠された領域を可視化するなど,応用事例の開発にも取り組んでいます.
リアルワールドメタバースはMR技術を利用して現実世界を拡張する概念です.このリアルワールドメタバースを基盤としてMRキャンパスを構想しました.より充実した空間の構築を目指し現在はMRキャンパスの実現に取り組んでいます.
Gr.2:複合現実感/隠消現実感の基幹技術と新規応用開拓
「隠消現実感(Diminished Reality; DR)」とは,実世界にCGを合成するMRとは逆に“不要な物体を視覚的に除去・透過”して見せる最先端の研究テーマです.DRは,体験者からの死角の可視化や,景観シミュレーションなどへの応用が期待されています.このグループでは,ドローン向けの位置合わせ手法やMRにおける映像表現手法などの基礎研究から,DR技術を活かした応用研究,過去と現在を融合するタイムラインMRの研究などに取り組んでいます.
Gr.3:次世代ヒューマンインタフェース
狭いコンピュータモニタに縛られたWINP型のユーザインタフェース(User Interface; UI)を脱した近未来のUIやVR/MR空間操作のためのUIについて研究を行っています。SF映画のワンシーンに登場するようなジェスチャ操作UI、仮想物体に触れたり、仮想物体の重さを感じたりできる触覚デバイスや疑似触覚提示方法、仮想世界での身体の拡張や複数ユーザによる融合身体などの研究を行っています。
Gr.4:VR/MR視覚提示による錯覚と身体感覚の分析・解明
VR/MR視覚提示による触錯覚の研究では, 身体部位に対して異なる色の仮想物体を重畳描画することで対象部位での温度の感じ方が異なるのではないと考えて研究しています. 自己運動感覚の研究では, 視覚誘導性自己運動感覚(ベクション)やライトタッチと呼ばれる指先に振動を与えた際に重心動揺が小さくなる現象に関する研究を行っています. 身体感覚の分析・解明の研究では, 身体の視覚情報の変更が身体感覚に与える影響や自分以外の他者の存在が身体所有感・行為主体間に与える影響を研究しています.
その他
Juvenile Project & Opening Demo Project
Juvenile Projectは,毎年,研究室に配属されたばかりの新入生がグループワークで作品を制作する新人教育のプログラムです.2004年の情報理工学部設置に際して,デモンストレーション用に2つの作品を制作したプロジェクト(Opening Demo Project)がその始まりです.
研究機材
Velodyne VLP-32MR
Velodyne社のLiDARです.
Velodyne VLP-16 Hi-Res
Velodyne社のLiDARです.
ダイハツ ムーヴ
研究用の車両です.
Denso Wave VS-087
多関節のロボットアームです.
Hololens 2
Microsoft社のHMDです.
Meta Quest3
Meta社のHMDです.
PICO 4 Ultra
PICO Technology社のHMDです.
VIVE Pro
HTC社のHMDです.
Varjo XR-3
Varjo社のHMDです.
Apple Vision Pro
Apple社のHMDです.
BambuLab X1-Carbon
BambuLab社の3Dプリンタです.
FLASHFORGE Guider 2s
FLASHFORGE社の3Dプリンタです.
外部研究資金獲得
(企業からの受託研究,奨学寄付金は除き,公的機関からの競争的研究資金のみを掲載)
-
学術研究助成基金助成金 若手研究「自己と他者との認知的境界はなにか:VR融合身体による他者理解の認知基盤の解明」
- 研究期間
- 2024~2026年度(予定)
- 課題番号
- 24K21069
- 研究代表者
- 森田 磨里絵
- 研究経費総額(予定)
- 4,680千円(直接経費:3,600千円,間接経費:1,080千円)
-
学術研究助成基金助成金 若手研究 「顔面触覚を用いた拡張身体に対する身体認知メカニズムの解明」
- 研究期間
- 2024~2026年度(予定)
- 課題番号
- 24K20823
- 研究代表者
- 中村 文彦
- 研究経費総額(予定)
- 4,680千円
-
科学研究費補助金 基盤研究(C)「温度錯覚を活用した液体への温度提示手法に関する研究」
- 研究期間
- 2021~2025年度
- 課題番号
- 21K11947
- 研究代表者
- 橋口 哲志
- 研究経費総額(予定)
- 3,900千円 (直接経費:3,000千円,間接経費:900千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「時空間映像データの高度利用のための循環型フレームワークの構築」
- 研究期間
- 2021~2024年度(予定)
- 課題番号
- 21H03487
- 研究代表者
- 柴田 史久
- 研究経費総額(予定)
- 17,160千円(直接経費:13,200千円,間接経費:3,960千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「仮想物体への接触感を提示する先端伸縮型デバイスの研究」
- 研究期間
- 2020~2023年度
- 課題番号
- 20H04235
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費総額(予定)
- 16,250千円(直接経費:12,500千円,間接経費:3,750千円)
-
科学研究費補助金 若手研究「仮想空間における身体変化の人間の知覚・行動への影響の検討」
- 研究期間
- 2020~2022年度
- 課題番号
- 20K19853
- 研究代表者
- 松室 美紀
- 研究経費総額
- 4,160千円(直接経費:3,200千円,間接経費:960千円)
-
公益財団法人・博報堂教育財団 児童教育実践についての研究助成 「運動障害を持つ児童の発達・学習に寄与する安全で楽しい移動感覚を伴う遊びの提供」
- 研究期間
- 2020~2021年度
- 助成番号
- 2020-045
- 研究代表者
- 松室 美紀
- 助成金額
- 2,700千円
-
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「光学シースルー型映像提示装置における減光機序に依拠しない影表現」
- 研究期間
- 2019~2020年度
- 課題番号
- 19K22882
- 研究代表者
- 柴田 史久
- 研究経費総額(予定)
- 6,370千円(直接経費:4,900千円,間接経費:1,470千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「移動体搭載カメラを利用した新モバイル映像通信フレームワークの研究」
- 研究期間
- 2017~2020年度
- 課題番号
- 17H01747
- 研究代表者
- 柴田 史久
- 研究経費総額(予定)
- 18,850千円(直接経費:14,500千円,間接経費:4,350千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「複合現実型視覚刺激によるR-V Dynamics Illusionの研究」
- 研究期間
- 2016~2019年度
- 課題番号
- 16H02861
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費総額
- 16,120千円(直接経費:12,400千円,間接経費:3,720千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「注視センシングに基づく透過型ディスプレイの奥行き知覚整合技術」
- 研究期間
- 2015~2018年度
- 課題番号
- 15H02737
- 研究代表者
- 池田 聖
- 研究経費総額(予定)
- 16,510千円(直接経費:12,700千円,間接経費:3,810千円)
-
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「符号化開口法を用いたHMDの被写界深度拡大」
- 研究期間
- 2015~2016年度
- 課題番号
- 15K12084
- 研究代表者
- 池田 聖
- 研究経費総額
- 3,250千円(直接経費:2,500千円,間接経費:750千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(S)「複合現実型情報空間の表現力基盤強化と体系化」
- 研究期間
- 2012~2016年度
- 課題番号
- 24220004
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 216,450千円(直接経費:166,500千円,間接経費:49,950千円)
-
科学研究費補助金 若手研究(B)「複合現実空間における痛覚・温冷覚提示に関する研究」
- 研究期間
- 2014~2015年度
- 課題番号
- 26730109
- 研究代表者
- 橋口 哲志
- 研究経費総額
- 3,770千円(直接経費:2,900千円,間接経費:870千円)
-
科学技術振興機構 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラムA-STEP(シーズ顕在化タイプ)「3次元自由視点映像の実時間MR再生と再照明付与に関する実利用化検討」
- 研究期間
- 2012~2013年度
- 課題番号
- AS2421199H
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 8,000千円(直接経費:7,055千円,間接経費:945千円)(立命館大学受給分)4,095千円(直接経費:3,150千円,間接経費:945千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「可搬移動型複合現実感システムに適した幾何位置合わせ手法の研究」
- 研究期間
- 2010~2013年度
- 課題番号
- 22300046
- 研究代表者
- 柴田 史久
- 研究経費総額
- 18,200千円(直接経費:14,000千円,間接経費:4,200千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「複合現実型視覚刺激が及ぼす触印象に関する研究」
- 研究期間
- 2011~2014年度
- 課題番号
- 23300050
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費総額
- 19,240千円(直接経費:14,800千円,間接経費:4,440千円)
-
科学研究費補助金 若手研究(B)「複合現実感のための実時間再照明付与技術」
- 研究期間
- 2011~2012年度
- 課題番号
- 23700153
- 研究代表者
- 一刈 良介
- 研究経費総額
- 4,420千円(直接経費:3,400千円,間接経費:1,020千円)
-
科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究「ビジュアルマジック隠消現実感の骨格形成と課題抽出」
- 研究期間
- 2010~2011年度
- 課題番号
- 22650035
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 3,350千円(直接経費:2,900千円,間接経費:450千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(A)「視聴覚併用複合現実空間の表現力向上に関する研究」
- 研究期間
- 2009~2012年度
- 課題番号
- 21240018
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 45,890千円(直接経費:35,300千円,間接経費:10,590千円)
-
科学研究費補助金 若手研究(B)「CGアーカイブデータを用いた任意のアクションシーンの構築手法に関する研究」
- 研究期間
- 2008~2009年度
- 課題番号
- 20700115
- 研究代表者
- 天目 隆平
- 研究経費
- 3,300千円
-
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(さきがけタイプ)「空間型メディア作品を強化する7つ道具型対話デバイス」
- 研究期間
- 2006~2009年度
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費総額
- 47,612.5千円(直接経費:36,625千円,間接経費:10,987.5千円)
-
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CRESTタイプ)「映画制作を支援する複合現実型可視化技術」
- 研究期間
- 2005~2010年度
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 537,134千円(直接経費:413,180千円,間接経費:123,954千円)(立命館大学受給分)444,678千円(直接経費:342,060千円,間接経費:102,618千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(A)「三感融合型複合現実空間の構成法に関する研究」
- 研究期間
- 2005~2008年度
- 課題番号
- 17200014
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費総額
- 45,240千円(直接経費:34,800千円,間接経費:10,440千円)
-
科学研究費補助金 基盤研究(B)「可搬移動型拡張現実感システムの共通基盤アーキテクチャの研究」
- 研究期間
- 2005~2007年度
- 課題番号
- 17300039
- 研究代表者
- 柴田 史久
- 研究経費総額(予定)
- 15,790千円(直接経費:15,100千円,間接経費:690千円)
-
財団法人大川情報通信基金 研究助成「広視野電子空間の知的インタフェースに関する研究」
- 研究期間
- 2005年度
- 課題番号
- 05-16
- 研究代表者
- 田村 秀行
- 研究経費
- 1,000千円
-
財団法人国際コミュニケーション基金 国際コミュニケーション研究奨励金「ネットワークコンテンツ利用のための実世界指向インタフェースに関する研究」
- 研究期間
- 2004~2006年度
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費
- 3,500千円
-
科学研究費補助金 若手研究(B)「道具の形状および使用時の触覚感を利用する道具型入力インタフェースの研究」
- 研究期間
- 2003~2005年度
- 課題番号
- 15700095
- 研究代表者
- 木村 朝子
- 研究経費
- 3,200千円
終了した研究プロジェクト
終了した研究プロジェクトの情報を記載しています.研究概要などの文言は,研究プロジェクト実施当時のままとなっていますので,ご留意ください.
映画制作を支援する複合現実型可視化技術
戦略的創造研究推進事業(CRESTタイプ)の研究領域「デジタルメディア作品の制作を支援する基盤技術」(平成22年度終了)の中で推進された研究プロジェクト「映画制作を支援する複合現実型可視化技術」です.愛称は MR-PreViz であり,現実と仮想を実時間で融合する複合現実感(MR)に基づく新しいPreViz(事前可視化)技術の略称でもあります.映画やCMなどのプリプロダクション段階での利用を想定したMR-PreVizは,ハリウッドもまだ手にしていない日本独自の先端技術であり,映像クリエータの創造性を引き出す強力な支援ツールとなるものです.
複合現実型情報空間の表現力基盤強化と体系化
平成24年度に採択された科学研究費補助金 基盤研究(S)の研究プロジェクトです.現実世界に電子的な情報を重畳する拡張現実感 (Augmented Reality; AR) や複合現実感 (Mixed Reality; MR) 技術は,人工現実感 (VR) の発展形で,実世界を対象とした「新しい情報提示技術」としての期待されています.学術的にはARとMRはほぼ同義語ですが,数年前からスマートホンで稼働する手軽な(ある種の)ARが広まって以来,MRは現実と仮想を対等に融合できる高度な技術として,期待する向きもありました.研究代表者(田村)は「複合現実感」の命名者で,これまで当該技術分野の先端研究開発を推進してきましたが,これまで限られた対象や環境下でのみ威力を発揮してきた従来技術を強化し,豊かな表現力をもつMR空間を実現する技術基盤の構築を目指しています.具体的には,次の2つの側面からアプローチすることで,世界的にも当該分野を先導・牽引する.