O plus E VFX映画時評 2025年9月号
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2025年9月4日 東宝試写室(東京)
2025年9月16日 東宝試写室(大阪)
(注:本映画時評の評点は,上から,
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の順で,その中間に
をつけています)
【メイン記事,論評記事間の再移動の理由】
月初めのTopページでの案内で,9月号のメイン記事として予告した本作を,しかるべきVFXシーンの画像が提供されないという理由で,文字だけの論評記事に格下げした。その後,長年の愛読者から,たとえ該当画像を掲載しなくても,誰もが見られるネット映像中にそれらがあるなら,読者にそれを観ながらVFX解説を読めば済むでは,との提案を頂戴した。
なるほど一理ある。単発の映画ならそうしないのだが,本作の場合は,当欄が特別力を入れているシリーズである。既に上映館はかなり減っているが,劇場版第1作と配信版シーズン1に従うなら,数ヶ月後にシーズン2が登場するはずである。それなら,そのシーズン2の記述負荷を減らすためにも,文字の本文を大幅に加筆し,この劇場版第2作を整理しておく価値がある。そう考えて,メイン記事に復活させる再移動を決断した。
まず,本作に至るシリーズの流れを整理しておこう。原作は,1988年10月から96年2月まで週刊「モーニング」に連載された「かわぐちかいじ」作画の同名コミック(単行本は全32巻)である。それを実写映画化した劇場版第1作が,2年前の『沈黙の艦隊』(23年9月号)であった。その紹介記事中では,日本の漫画史に残る名作であり,政治漫画,戦争漫画として国会質問の対象のなるほど話題作であったことや,連載開始当時の社会動向,世界の政治情勢にも触れておいた。筆者は原作の熱烈なファンであり,その視点から,同じようなファンが多数いることを前提とした紹介記事とすることも明言した。評点は平均的な☆☆としたが,総合評価ではかなり酷評した。原作単行本の第3巻半ばまでしかカバーしておらず,原作のもつ壮大な世界観が全く感じられなかったからである。強い要望として,続編を最低2本製作し,3部作にすることを希望した。
この記事の時点では,続編の製作・公開は全く公表されていなかった。ところが何と,半年も経たない翌年2月にAmazon Prime Videoのドラマシリーズとして,『沈黙の艦隊 シーズン1~東京湾大海戦~』(24年2月号)は配信された。全8話の合計上映時間は375分に及び,劇場版第1作全体が含まれていて,原作の第11巻の7割強までをカバーしていた。何のことはない,最初からシリーズ化する予定の大きな企画であったのだ。政治ドラマも潜水艦バトルも充実していたので,☆☆☆評価を与えた。もうこの時点で,配信版シーズン2以降が作られることが明白になった。
【本作の物語展開の概要】
劇場版第2作のこの映画は,劇場版第1作の続編ではなく,配信版シーズン1の続編である。公式サイトでは,本作は「第二章」と記されているが,内容の包含関係の混同を避けるため,以下では「劇場版第m作」,「配信版シーズンn」のように記すことにする。
本作の冒頭では,配信版シーズン1までの概要を5分強にまとめた映像が流れる(写真1)。本編の内容は副題から分かるように,東京湾大海戦に勝利した日本初の原潜シーバットは,海江田四郎艦長が独立国「やまと」を宣言し,国連本部に向かうため,ベーリング海経由で北極海に入り,NY港入りをするまでを描いている。 「やまと」のNY入りを阻止しようとするベネット米国大統領は「オーロラ作戦」を発動する。「やまと」がベイツ兄弟率いる原潜と戦う「北極悔大海戦」は,原作でも最も人気のある魚雷戦であるが,これは本作のほぼ前半で終わってしまう。勿論,やまとが勝利するのは言うまでもない。後半では,グリーンランド近海を経由し,NYマンハッタン島に向かう「やまと」に対して,米国側が最後の砦とする「ニューヨーク沖海戦」が展開し,空母J・F・Kを中心とした大西洋艦隊との戦いが描かれている。
一方,日本国内の政治ドラマとして,「やまと」を承認し連携するかを巡って,与党「民自党」が4つに分裂し,衆院解散して総選挙が行われ,その結果も明らかになる。政党間の対決は原作と少し違うが,それは後述する。また,日本の代議士・大滝淳が北極海に向かい,上空のヘリから海江田艦長に話しかけ,彼の持論の「軍備永久放棄」と「ヤマト保険」を提案する。同じく,NY沖では米国・ACNテレビのボブ・マッケイらがヘリで取材に向うことも描かれている。いずれも海戦に比べれば小さな扱いであるが,映画全体としては劇場版第1作よりもかなり見応えある,充実した映画であった。
【原作コミックとの比較,取捨選択について】
原作との大きな違いも述べておこう。NY沖での戦いの結果の米国大統領の判断が異なるので,この第2作が原作の第何巻までをカバーしているのかは明確に言えない。「ニューヨーク沖海戦」の停戦宣言という意味では,第20巻末までである。ただし,ボブ・マッケイが「やまと」に乗船しての海江田へのインタビューとその世界同時中継は第24巻まで続くが,この時「やまと」はNY沖30kmに停船していて,まだNY港入りはしていない。そもそも全32巻を映画数本に収めるにはかなり圧縮せざるを得ず,登場人物も削減せざるを得ないのは言うまでもない。以下は,それを承知の上での原作との違いである。
■ 筆者は第1作紹介時に,2作目を作るなら,ロシアや中国の原潜との戦いを描くべきたと書いたが,相変わらず他国はほぼ登場せず,米国海軍との戦いに終始している。原作では米国の「オーロラ作戦」前に,ソ連の巨大なタイフーン級戦略原潜と「やまと」の交差があるが,それは描かれていない。映画では,ベネット大統領がロシア大統領に電話して,ロシアを含む他国の潜水艦をすべて北極海から退避させているだけである。また原作では,NY沖に英・仏・中・露・印の原潜が集結し,さらに各国首脳のサミットも開催されるが,映画はそこまでのスケールにはなっていない。
■ 原作は1990年代中盤までに書かれた物語だが,本シリーズは現代を舞台にしているので,迂闊に国際情勢を盛り込む訳には行かないのは理解できる。そもそも前作から本作の間で,米国大統領が誰になるか分からなかったし,いくら映画はフィクションとはいえ,ロシアや中国との関係も安易には描けない。ただし,海江田艦長が意図した「沈黙の艦隊」とは,上記5ヶ国の原潜と「やまと」を含むものであり,その戦闘力による戦争抑止力を意味したものであった。加えて,原作では国連事務総長のJ・アダムスの発言も大きな役割を果たし,海江田の国連総会での登壇が山場となっている。今や国連は世界の戦争に対して機能不全状態に陥っているが,さりとて,日米間の戦闘と政治的決着だけ済ますのは,「沈黙の艦隊」本来の意味から大きく外れてしまう。第3作でこれをどう辻褄合わせするのか,原作ファンには大いに気になるところである。
■ 「北極悔大海戦」での魚雷戦はじっくり描かれていた。願望を言えば,米軍側のトリックを海江田が見破る原作のエッセンスは維持されていたが,操艦の妙はもう少し原作に忠実であって欲しかったところだ。一方,「ニューヨーク沖海戦」は原作よりも,かなり短縮されている。劇場版の本作では空母は「J・F・K」だけしか登場しないが,原作コミックでは大西洋配備の第2艦隊がほぼフル出動で,空母は「A・リンカーン」「T・ルーズベルト」もNY沖に集結している。原作では「やまと」は必要に応じて魚雷で敵の駆逐艦を撃沈していたが,映画では「やまと」は探心音だけで敵を屈服させる奇麗事で済ませていた。「やまと」が空を飛ぶシーン等,魚雷戦や操艦のビジュアル化に関しては,CG/VFXの項で後述する。
■ 海江田の「やまと独立国宣言」を巡って,竹上総理が衆議院を解散し,総選挙が行われるのは原作も本作も同じである。原作では,1992〜93年の連載当時,4党首のTV討論での政策発言を掲載し,週刊「モーニング」の読者に誰に投票するかを公募するという奇抜な企画を実施した。言わば,架空の誌上総選挙である(表1)。これを受けて実写映画の本作でも4党首の政策討論を描いていたが,その顔ぶれが異なっている。原作では,与党「民自党」が3分裂し,総裁であった竹上総理(笹野高史)と海原官房長官(江口洋介)らは離党して「新民自党」を興し(写真2),大滝淳議員(津田健次郎)は新党「鏡水会」の党首となっている。即ち,与党・民自党は原作では3分裂した。この他に「革新連合」の河之内英樹なる人物が登場するが,映画では防衛大臣の曽根崎仁美(夏川結衣)に置き換わっていた。竹上総理のやまと支持に同意できない彼女も離党して,「悟信会」代表として総選挙に臨んでいる(写真3)。即ち,映画では民自党が4分裂して,彼らだけの党首討論に終始していて,革新の野党は全く出番がない。もはや,日本の政治力学の中で野党は何の力もないと宣言しているかのような大胆な脚本である。ただし,この脚色にはあまり賛成できなかった。野党連合の中から,河原崎に相当する新登場の俳優を1人,キャスティングすれば済んだことではないかと感じた。
■ 加えて,映画での脚色で驚いたのは,原作では4党首はすべて男性だったが,映画では男女それぞれ2人ずつになっていたことだ。民自党幹事長の海渡一郎を,女性の海渡真知子(風吹ジュン)に置き換えていたのである。大滝淳役は津田健次郎で違和感はなかったが(写真4),最も強面の海渡一郎を,全くイメージの異なる女性にしたのは驚きであり,斬新な脚色であると感じた(写真5)
■ ところで,上記の架空の誌上総選挙前の1992年5月に細川護熙が「日本新党」を結成し,誌上総選挙後の翌93年7月の現実の総選挙で野党連合が政権交代を実現し,自民党は38年ぶりに下野した。今年の本作の公開直前に石破首相が退陣表明して,自民党総裁選に突入し,映画公開後に高市早苗が自民党初の女性総裁に選ばれている。当然,初の女性首相誕生になると思ったのだが,上記の野党無視,女性重視の斬新さを「論評欄」に書いた後で,今度は公明党の連立離脱が起こり,にわかに野党連合の組み合わせも現実味を帯びて来ている。次の臨時国会で誰が首班指名を受けるのであろうか?「事実はコミックや映画よりも奇なり」である。ちなみに,原作での誌上総選挙の結果議席数は,写真2の左から順に160:160:64:128であった。ところが何と,特別国会での首班指名の第1回得票は235:258:0:1で,過半数を得たので,上位2名の決選投票とはならず,大連立での第2次竹上内閣が誕生した。映画ではどんな得票結果になるのか,大連立はあるのか,観てのお愉しみとしておこう。映画以上に,現実の臨時国会の首班指名の結果は,もっと愉しみである。
【主要登場人物とキャスティング】
吉野耕平監督初め,主要キャスト&スタッフは基本的に継続登板である。「やまと」は前作以降,寄港せずにずっと航行中であるので増減のありようがなく,海江田四郎艦長(大沢たかお),山中栄治副長(中村蒼)以下,水測長・溝口択男(前原滉),IC員・入江覚士(松岡広大)らがそのまま出演している(写真6)。本作では,潜水艦たつなみの深町洋艦長(玉木宏)と速水貴子副長(水川あさみ)の出番はない。主役の大沢たかおが,前作より痩せていて,少し威厳不足の感じた。実のところ,彼は『キングダム』シリーズに将軍・王齮役で出演時には20kg増量し,その後,減量するという。前作と本作の間に『キングダム 大将軍の帰還』(24)があったので,減量時に少し減らし過ぎたのだろうか。あるいは,『キングダム 運命の炎』(23)での増量後,あまり減量できないまま,こちらの第1作の撮影に入ったということかも知れない。まあ,この映画としては,ずっと艦内で過ごし,海戦続きの緊張感で食事もロクに取れず,少し痩せたという解釈で構わないのだが(笑)。
日本政府関係者では,上記の他は,外務大臣・影山誠司(酒向芳)の継続出演がある程度だ。何と言っても,新登場の大滝淳と海渡真知子の存在が印象的だった。大滝淳は,まさに津田健次郎は原作のイメージ通りの好演で,出番も多かった。アニメや洋画の声優,ナレーションでの出演が多い男優だが,姿が見える実写映画では過去最大の印象的な役柄だったかも知れない。一方,原作で最も強面の民自党幹事長・海渡一郎役を女性にしたのは上述の通り驚きだったが,それが風吹ジュンというのはもっと驚きであった。日頃彼女が演じている役柄とは,かなり印象が異なる。大政党の幹事長役から,そのまま党首に昇格するのであるから,驚きのキャスティングであった。
報道ニュースキャスターの市谷裕美(上戸彩)は実写映画でのオリジナルキャラクターであるが,海江田艦長への取材での責任を問われ,本作では退社してフリージャーナリストとなっている。彼女はNYまで「やまと」を追い,ヘリをチャーターして上空からNY沖の海戦の推移を中継する。ここで,彼女に帯同し,ヘリに同乗しているのは,新登場のフリーカメラマンの森山健介(渡邊圭祐)(写真7)と上述のボブ・マッケイ(トーリアン・トーマス)である。原作では,マッケイは北極海で大滝のヘリに同乗していて,NY沖ではこのヘリに乗っていない。NY沖では,彼は自らのカメラクルーを連れて米軍の空母に同乗し,報道を続けていた。本作は,市谷裕美の役割を大きく見せる脚色だが,この程度の改編は十分許せる範囲だ。
【CG/VFXの見どころ】
当初,予告編中のCG/VFX関連の画像が提供されないのを恨んでいたが,その予告編は公式Webサイト中の「特報映像2」「ファイナルトレーラー」であったが,相対的にはYouTubeに投稿されていた【MAD2】が最も整理されていた。これを流用する訳には行かないが,その後,配給元から公式に「『沈黙の艦隊 北極海大海戦』公開記念特番 海江田が投げかける未来 エンターテインメントの新たな風 SP」が編集され,公開日前後から全国TV放送30局から30分番組として放映された。この中で,監督にCGFXディレクターやVFXスーパバイザーが加わって,CG/VFXシーンのメイキングを解説している。この特番の内容は,既にYouTubeの「東宝MOVIEチャンネル」から見られる。以下では,この映像をベースに,画像なしでVFXシーンの見どころを解説するので,読者諸兄はこの「特番Web映像」を参照しながら読んで頂きたい。
■ ビジュアル的に前作にない最大の魅力は,北極海,グリーランドやノルウェーの近海の映像で,氷山や流氷を含む圧巻の映像が頻出する。実際にグリーンランドで約1ヶ月かけて実景を撮影したという。勿論,その海から「やまと」が浮上するシーンはCG製の原潜のVFX合成である(写真8)。当初はフルCGでの計画であったというから,「やまと」抜きで実景だけに見えるシーンも,適宜VFX加工して見やすくしていると思われる。この北極海で,大きな鯨が登場するシーンがある。監督は固定カメラでの撮影映像に2頭の北極鯨が泳いでいるのを見たと語っている。これは実在することを確認しただけであって,映画中での雄大な鯨の動きはCGで描いたのだと思う。
■ 写真9は,今回提供された唯一のVFXメイキングシーンである。北極点の海面上に浮上した「やまと」の上方にオーロラが見える幻想的で美しいシーンだが,このオーロラもCG製と思われる。このシーン以外にも,「やまと」が浮上するシーンはすべてブルーバックでのスタジオ内撮影である。潜水艦の艦内は,前作と同様,精巧に作られた屋内セットだが,「オーロラ作戦で登場する米国原潜シーウルフのアレキサンダー号の艦内も,「やまと」とほぼ同じに見えた(写真10)。「やまと」ことシーバットも米国製であるから似ていて不思議はないが,おそらく操作端末の画面だけを入れ替えて,屋内セット自体は使い回したのだろう。写真6と写真10を見比べれば分かるが,中央のCIC卓(Combat Information Center Console)の上部のデザインが少し違っている。ただし,ご愛嬌程度の差に過ぎない。
■ 海中での「やまと」の動きや敵の原潜との魚雷バトルは,前作同様,フルCGと考えて良い。バトル全体としては,前作よりもかなり充実した描写になっている。北極海らしく探心音が氷山で跳ね返ったり,氷の下の大きな空洞を利用した操艦は,本シリーズならではのアイディアである。「北極海海戦」において,米国原潜との海戦は概ね原作のアイディアを踏襲していた。シーウルフが70ノット以上の高速潜行をいかに実現したかのトリックは原作ファンなら誰もが覚えているが,その他の読者のために,これは観てのお愉しみとしておこう。原作では,「やまと」が勝利を得るための芸術的と思える見事な操艦を描いていたので,これを映画でも再現して欲しかった。海中のCG描写に大きな影響を与えるものではなく,CIC上部での戦況マップのグラフィック表示で,原潜の位置関係と魚雷の進行経路を少し修正すれば済むだけの話である。
■ 一方,「ニューヨーク沖海戦」は大幅に圧縮されていた。ネルソン艦長率いる原子力空母「A・リンカーン」と僚艦の空母「T・ルーズベルト」が登場するのがこの海戦であり,原作ではその後,日系人ナガブチ艦長率いる空母「J・F・K」との戦いが続く。こちらは最後の砦の「ニューヨーク沖決戦」として区別していた。映画では,この2つをミックスして大幅に圧縮して描いている。筆者の記憶する限り,両艦長の名前も俳優も登場しなかった。「やまと」が空を飛ぶのは,原作では前者のエピソードである。「やまと」は急速なアップトリムをかけ,約80度というほぼ垂直上昇を行って,海面上に飛び出し,恰も空を飛んで,敵方が発した40本ものアスロックミサイルの爆発をかわした。連載後,自衛隊関係者からこんな角度での上昇は有り得ないという指摘があったためか,映画中で海江田艦長はアップトリム角50度までしか司令していない(写真11)。それでいて,海面からは垂直に見える角度で飛び出し,潜水艦が空を飛ぶかのようなシーンを描いている。空を飛ぶシーンでの艦が水を纏っている表現は見事であった。
■ この急速アップトリムシーンでの艦内の乗員の緊迫感は見事な演出であった。潜水艦の艦内セットを本当に傾ける装置を導入していたことは前作の記事中で紹介したが,本作で本当に50度傾けたか,それともカメラを傾けてそれらしく見せただけなのかは定かではない。おそらく,その両方の合わせ技での50度達成だったと思われる。現実には有り得なくても,何でも描けるのがCGのメリットである。それならいっそ,80度にしておいて,ほぼ直立した「やまと」をCGで描いた方が面白かったと思うのだが…。本作のCG/VFXの主担当は前作同様オムニバス・ジャパンであり,他に白組,トゥエンティイレブン等,約20社が参加していた。
【総合評価】
総合的に見るならば,原作をかなり圧縮せざるを得ず,しかも現在の世界情勢に大きく左右されない政治ドラマにするのは,そう簡単ではない。それを考慮すると,潜水艦バトルも政治ドラマも第1作よりもかなり出来がいい。この内容で上映時間132分は,うまく編集されていて,見応え十分である。前回同様なら,大幅拡張した配信版シーズン2はさらに大きな楽しみであり,このシリーズをいつまで続けるのかも気になる。この劇場版第2作で,原作の20巻まで進んだことを考えると,劇場版は第3作,配信版もシーズン3までだろう。海江田艦長の結末をどう描くのか,原作を外さないのか,いっそ大きく変えてしまうのか,興味は尽きない。
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