用語解説(その1)


ジョージ・ギルダー:米国の新保守派の評論家・社会学者。1992年『テレビの消える日』(Life after Television)に著し,ディジタル技術のメディアへの影響を論じて話題を呼んだ。

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サーチエンジン:検索エンジンともいう。入力されたキーワードに該当するWWWページのリストを提供するためのツール。数十種類もの無料サービスがあり,それらをまとめて列挙したページもある。

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Alta Vista:サーチエンジンの一種。1996年秋から開始したサービスで,3000万ページ以上のデータを持ち,DEC社のハードウェアを利用した処理の速さを売りにしている。http://www.altavista.digital.com/

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Infoseek:情報検索専門の会社として設立されたInfoseek社のサーチエンジン(http://www.infoseek.com/)。1995年2月からサービスが開始された。5000万ページ以上のデータを持つ。1996年10月からは(株)デジタルガレージと提携し,Infoseek Japan(http://japan.infoseek.com/)として日本語検索サービスも開始された。

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ブレードランナー(Blade Runner):1982年ワーナーブラザース映画。リドリー・スコット監督,ハリソン・フォード主演。80年代の代表的なSF映画として評価が高い。

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フルテキストサーチ:全文検索。予め抽出されたキーワードを頼りに該当記事・文献を検索するのではなく,指定の単語や句を文書全体にわたって探索する検索方式のこと。コンピュータの処理速度が速くなって可能となった。

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VPL社:1985年設立。1989年にアイフォンと名付けたHMDとデータグローブを含むRB2システムを発売して,VRブームを巻き起こした。Virtual Realityという言葉も,創業者のジャロン・ラニア氏の命名と言われている。

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スペースコクピット計画:1960年代から80年代にかけて,米国空軍で進められていた戦闘機の操作シミュレーション・システムの開発研究。独自のHMDや立体音響技術が開発された。

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イントラネット:インターネットの技術を利用して構築・運用される共同体内部のネットワーク。企業内の情報共有ネットワークとして急速に伸びている。安全性確保のため,インターネットとの接続地点にファイアーウォールと呼ばれるソフトウェアを設置し,外部からの侵入を防ぐ。

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エージェント:電子世界に住む代理人の意。人間の代わりに仕事を実行してくれるソフトウェアの総称。複数のエージェントが互いに協調しながら,インターネット上で情報収集や座席予約などの知的業務を代行してくれることが期待されている。人間の顔をした電子秘書は,「擬人化エージェント」と呼ばれている。

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QuickTime:アップル社がMacintosh用に開発したディジタル動画の操作環境。このソフトの出現以来パソコンのマルチメディア化が本格化した。今ではMac OSの一部となっている。

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ジョン・スカリー:元アップル・コンピュータ会長兼CEO。1990年代始めにはマルチメディアの仕掛け人として名をはせたが,携帯情報端末開発の失敗等により業績不振となり退陣した。

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堺屋太一:元通産官僚の作家・評論家。中堅サラリーマン層に絶大な人気がある。多数の著書の中でも『知価革命』(1985)で,独自の視点から情報化社会への道を説いた。

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CALS:Computer Aided Logistic Support。米国防総省が開発したコンピュータネットワーク利用による兵器や物資の調達システム。同システムが民生用にも転用され,何度か改称されてCommerce At Light Speed(光速での商取引)とも呼ばれるようになった。

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NC:Network Computer。オラクル社ラリー・エリソン会長兼CEOが提唱した次世代情報端末。必要なプログラムやデータはすべてネットワーク経由で送信されるので,ウィンドウズ・パソコンよりも小さく安くできるという。そのコンソーシアムにはIBM,アップル,サン等も参加し,いまでは反マイクロソフト陣営の共通開発目標になっている。

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多羅尾伴内:昭和30年代に片岡千恵蔵主演でヒットした東映映画のシリーズもの。変装名人の「七つの顔」をもつ探偵が主人公。

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SIS:Strategic Information System(戦略情報システム)。航空券の予約システム,宅配便の管理システム等,情報ネットワークの活用が企業経営を刷新するとして,数年前この言葉がもてはやされた。

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ダイヤルアップIP:インターネットでWWW(World Wide Web)の情報を入手するのに必要なIP(Internet Protocol)接続のうち,専用線によるフルタイム接続ではなく,電話網を利用して交信時のみ接続する安価なサービス形態。

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ボブ・メトカーフ(Bob Metcafe):元DEC社でEthernet開発の中心的役割を果した技術者。米国のパソコン雑誌に「インターネットは1996年12月31日までに崩壊する」という記事を投稿して話題を集めた。

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RTP:Real-time Transfer Protocol。現在,インターネットやLANで標準的に利用されるデータ転送の規約TCP/IPより,さらに上位の新規格で,映像・音声等の実時間転送に適した仕様として用いられ始めている。

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マルチキャスト:インターネットにおける同報送`信の方式。インターネットでは,通常1対1の通信(ユニキャスト)が基本になっているが,複数の相手に同じデータを送れるような技術が開発されつつある。

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アルビン・トフラー:米国の作家・未来学者。『第三の波』(1980年)を著して,農業革命・産業革命につづく社会大革新を情報革命であると述べ,話題を呼んだ。

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セットトップボックス:SetTop Box。テレビセットの上に置くCATVサービスの端末機。現行の単純なものを高機能化することにより,本格的なマルチメディア・サービスの家庭端末となることが期待されている。

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アットワーク:複写機,FAX,プリンタ等,OA機器をつなぐディジタル・ネットワークの統一仕様やそのOS。1993年頃にマイクロソフト社が大々的にアピールし,国内のメーカーもこれを採用すると発表した。その後,どうなったのかは定かではない。

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タイガー:マイクロソフト社のVODサービスのためのビデオサーバー・システム。SGIやオラクルが特殊な並列プロセッサを用いたシステムを発表したのに対して,標準PCとソフトウェアで構成されている。発表だけで一向に出荷されないことから「張り子の虎」という評判も出た。

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MUSE:ハイビジョンの放送規格で用いられる信号の帯域圧縮方式。最近のディジタル符号化技術とは異なる方式で,かつPAM(パルス振幅変調)を用いていてフルディジタルでないため,時代の遅れの代表のような扱いを受けている。1994年2月,江川晃正放送行政局長(当時)がこの方式を廃して早期ディジタル化をめざす発言をしたことから,NHKや家電業界が猛反発した。

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ATV:Advanced TeleVision。米国のHDTVの新規格。マルチメディアの追い風に乗り,日本のハイビジョンへの対抗策として注目を集めている。

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石井威望(いしいたけもち):東京大学名誉教授。現在慶應義塾大学大学院政策メディア研究科教授。専門は,システム工学,ヒューマンインタフェース。情報化社会を見通した著書多数。

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Xerox PARC:米国ゼロックス社がシリコンバレーに作ったPalo Alto Research Center。1970年代に,ワークステーション,LAN,GUI,オブジェクト指向言語,ページ記述言語等,今日のコンピュータの中核となる革新的な研究成果を次々と生み出し,一時代を築いた。

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EPCOTセンター:Experimental Prototype Community Of Tomorrow(実験的未来社会)。1982年にオープンしたフロリダ州オーランド市のウォルトディズニーワールド内に設けられたテーマパーク。技術の進歩を振り返り未来を予見するパビリオン群では,大型映像や体感シミュレーションのアトラクションが楽しめる。

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CHI:Computer-Human Interaction。ACM(米国計算機械学会)の専門部会の1つSIGCHIが主催する年次大会。ヒューマンインタフェース分野で最も権威ある国際会議とされている。CHI98はシアトル市で開催予定。

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アイフォン:Eye-Phone。VPL社のHMDの商標。ヘッドフォンから類推で作られた造語。

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マイロン・クルーガー:1942年生まれのビデオアーチスト。コンピュータと映像合成技術を駆使したインタラクティブ・アートの新しい世界を生み出して話題を呼んだ。VRブームより以前の1983年に『Artificial Reality』を著している。

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服部桂:朝日新聞出版局編集委員。『ASAHIパソコン』副編集長,『DOORS』編集委員等を歴任。MITメディアラボ滞在中にVRブームに接して,『人工現実感の世界』(工業調査会)を著した。S. レビー『人工生命』(朝日新聞社,1996年)の訳者としても知られている。

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CAVE:CAVE Automatic Virtual Environment。イリノイ大学EVL(Electronic Visualization Lab.)で開発された立方体状の立体ディスプレイ。大型のイマーシブ(immersive)ディスプレイ・ブームの端緒となった。

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NCSA:The National Center for Supercomputing Applications。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校に設けられた研究センター。NASA,ARPA,NSFの支援で,最先端の科学技術計算の研究を行っている。インターネットのブラウザMosaicを世に出して一躍その名が知られるところとなった。http://www.ncsa.uiuc.edu/

本文へ戻る(廣瀬通孝氏インタビュー)
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ICC:InterCommunication Center。1997年4月,NTTが西新宿の新本社ビルに隣接して設けた技術展示・広報のための一大センター。イリノイ大学の純正CAVEが導入されている他,ビデオアート展示等のさまざまな催しが行われている。

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VRAIS:Virtual Reality Annual International Symposium。IEEEが主催するVR分野で最も権威ある国際会議。VRAIS98はアトランタ市で開催予定。

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劇場としてのコンピュータ:Computers as Theatre(1991)。著者のブレンダ・ローレルは,VR,HI分野の研究者達と親交が深く,S. フィッシャーらと,Telepresense社を起こしたこともある。邦訳(遠山崚征訳)は1992年にトッパンから出版されている。

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養老孟司:元東京大学医学部解剖学教室教授。脳科学の権威で,現在北里大学教授。エッセイスト,評論家としても活躍中。定年前に東大教授の職を辞して,話題となった。

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アフォーダンス理論:J.J.ギブソンが作った造語。人間が事物を知覚する時には,対象となる環境自身に情報が含まれているとする考え方。環境と主体との相互作用により知覚がなされるという見方でAIに影響を与えた。

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モーションキャプチャ:CGキャラクターの動きを作るために,人間の動作を計測して利用する手法。3Dのゲーム,バーチャファイター2などでも用いられている。

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GPS:Global Positioning System。人工衛星から発信される電波を使って,自分の位置を知るためのシステム。アメリカ国防総省が軍事目的で開発した。現在はカーナビゲーション用に利用されている。

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カール・ヒューイット:Carl Hewitt(1944〜 )。MIT EECS(電気情報工学科),人工知能研究所,計算機科学研究所の準教授。定理証明手続きを記述するPLANNER言語の設計,オブジェクト指向の並列計算モデルActorの提唱者として有名。

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テリー・ウィノグラード:Terry Winograd(1946〜 )。スタンフォード大学計算機科学科教授。MIT AIラボの博士課程在学中に作成した自然言語処理プログラムSHLDLUは,1960年代後半のAI研究の記念碑的な成果として知られる。1987年にF.Floresと伝統的なAIを否定する書を著して話題となった。

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デスクトップ・メタファ:オフィスの机上の様子を模したグラフィカル・ユーザ・インタフェースの考え方。ビットマップ・ディスプレイ上に,書類を重ねて置いたイメージのオーバーラッピング・ウィンドウを配し,電卓・時計・ゴミ箱等の機能ももたせた。いまでは,ワークステーションやパソコン画面の標準スタイルにまでなっている。

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CU-SeeMe(シーユーシーミー):コーネル大学で開発されたパソコン用テレビ会議システム。インターネット用のフリーソフトとしても流通している。商用のEnhanced CU-SeeMeは,White Pine Software社がライセンスを得て発売している。

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ロータスノーツ:ロータス社が開発した非同期型グループウェアソフト。電子メールやスケジュール管理を含むオフィス用ツールとして大きなシェアを保っていたが,マイクロソフト社のExchange Server等が激しく追い上げている。

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アルト:ゼロックス社パロアルト研究所(PARC)で開発された世界初のワークステーション。上記のデスクトップ・メタファをGUIとして実現し,アイコン,マウス,LANなども実装した。その後の各種Lispマシン,UNIXワークステーションの原型となった。

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マクロマインド・ディレクタ:マクロマインド(現,マクロメディア)社が開発したマルチメディア・ソフト制作用の代表的なオーサリング・ツール。

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マーク・ワイザー:Mark Weiser。ゼロックス社PARCのChief Technologist。コンピュータ・アーキテクチャ,分散処理を専門とし,電子出版やビデオアート分野でも活躍してきた。'Ubiquitous Computing'や'Embodied Virtuality'という革新的なコンセプトの情報処理技術を提唱している。

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『ビーイング・デジタル』:MITメディアラボのN. ネグロポンテ所長が1995年に著した書(番外編「マルチメディア:峠の群像(下)」1996年6月号書評参照)。アトム(アナログ的,物質)からビット(ディジタル的,情報)へのシフトこそ必然的な流れだとしたマルチメディア礼讃論。

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