Voice

○梶山 春香(かじやま はるか)さん
 【現在,修士1回生.岐阜県立可児高校出身】

――どうやって,実世界コースの柴田研まで辿り着いたかを順を追って説明して下さい.

 高校2年生の時にPlayStation VRが発売されたことがきっかけで,VR技術に興味を持ち始めました.高校は岐阜県ですが,夏に名古屋で開催された「関西7大フェスティバル」に行って,立命館大学情報理工学部を知り,ここならVRをやれるかなと思って入学しました.
 1回生必須科目「情報倫理と情報技術」の中でHoloLensの存在を知り,MRに関心をもちました.木村研や柴田研で使われているとのことで,こうなると実世界情報コースに決まりです!
 木村研でも柴田研でも良かったのですが,柴田先生の「モバイルコンピューティング」の講義が面白く,分かりやすかったので,柴田研を第1希望にしました.

梶山さん

――大学院進学はいつ頃決めたのでしょう?

 研究室説明会でも院進した方がいいと聞き,迷っていました.「研究職に就きたいなら,院進は必須だ」と先輩からのアドバイスもあり,最終的には3回生の冬休みに決めました.両親からの反対もなく,行きたいと言ったら「そうだろうな」という感じで,すんなりOKが出ました.

――趣味や大学でのサークル活動に関して聞かせて下さい.

 幼稚園の年中からオルガンを習い始め,小学校からピアノを始めました.小学生の時に「ショパン国際ピアノコンクール in Asia」の地区予選を「銅賞」で通過し,全国大会まで行った経験があります.「金賞」該当者がいない年の「銅賞」だったので,とても嬉しかったです.さすがに,全国大会では入賞どまりでした.

コンクールでのピアノ演奏風景

コンクールでのピアノ演奏風景

地区予選の賞状(これで全国大会へ)

地区予選の賞状(これで全国大会へ)

 ピアノは高校3年生の受験期までずっと続けていましたが,プロを目指すつもりはなかったです.それで食べて行けるほど簡単な世界ではありませんから.
 大学に入り,下宿生活ではピアノは弾けないので,「軽音サークル」に入ってキーボードを購入しました.でも,感触の違いに「これじゃないな」と思い,普段は軽く触る程度です.「軽音サークル」にもあまり熱が入らず,途中で活動しなくなりました.「ピアノサークル」にも入りましたが,最初に覗きに行った時,先輩たちが練習もせずに,ボードゲームをしているのに呆れました(笑).ピアノを自由に弾けるのだけが魅力でしたが,ここでもあまり活動していません.
 音楽以外に,「草津天文研究会」にも所属していて,ここで一番活動していました.

――ジュベナイルプロジェクトでは「ミュージック班」のディレクタに立候補されたようですが,やはり長年ピアノをやっておられたからでしょうか?

 なかなかディレクタに手を挙げる学生がいなくて,それなら自分がやろうと立候補しました.さっさと決まらないと嫌な方です(笑).人の上に立つのは好きな方です.小さい頃から,学級委員長とか生徒会副会長とかでリーダー役には慣れていたし,人と違った仕事もしたい方です.
 ミュージック班は,先に野崎君がシナリオライタに決まっていました.私自身はプログラミングやモデリングにも自信はありませんが,彼はモデリングにも慣れていて,技術力で申し分のない彼がいるなら大丈夫と思い,ミュージック班を選びました.ピアノの経験で,音楽のことも分かるので,テーマ的には全く苦になりませんでした.

――リーダーとしてのチームの運営,スケジュール管理を経験され,満足のいく作品ができたのでしょうか?

 班員に助けてもらいながら,大体上手くいったと思います.スケジュール管理は,先生方が管理して下さるのではなく,自分が責任をもってやらなければならないことにプレッシャーはありました.自分がこまめに進捗を聞いて,遅れが生じたら修正をかけていました.
 入構制限があったので,毎日集まることはできませんでしたが,最低週一は全員で顔を合わせるようにし,他の日はZoomで連絡を取り合っていました.プログラマはグループ単位で顔を合わせて進めていたようです.
 一番大変だったのは, Unityの経験者が少ないという技術的な問題でした.野崎君がUnity講習会を開いてくれ,右も左も分からない初心者のレベルを上げるのに時間がかかりました.
 作品名は「Fan! Fun!! Music!!!」で,VR空間で打楽器を叩いて,音楽を完成させるものです.制作者も体験者も楽しめるものを心掛けました.全体としては,大いに満足できるものになったと班員一同感じているようです.
 例年なら,配属用見学会で3回生の皆さんにお見せして体験してもらえたのですが,コロナ禍でそれができなかったのが残念です.今年はそのデモ体験会が復活するので,是非,1年後輩たちのVR/MR作品を体験して行ってください.

表示画面例(体験者のHMDに表示される)

表示画面例(体験者のHMDに表示される)

体験風景

体験風景(中央の女性が梶山さん)

――Gr.配属を経て,卒業研究に進んでからのことも聞かせてください.

 希望通り,Gr.1のITS班に配属されました.後で聞いたのですが,ディレクタの希望は優先されるそうです.手を挙げて良かったです(笑).
 このVoiceページでは,偶然にもM2の藤重先輩,同じM1の岡田君もITS班なのですが,私はクルマにセンサを取り付けたり,走行しながらDR処理をするといった実験には参加しませんでした.というのは,もう1つのFramework班との境界的な研究テーマを担当することになったからです.時空間データを統一的に扱うSIGMAフレームワークの体系の中で,ITS班が用いる3次元点群を扱えるようにすることが,卒論の主テーマでした.
 おかげで,ITS技術の動向,クルマに搭載するLiDARセンサ,3次元点群の管理や表示など,沢山勉強しなければならないのが,少し大変でした.その分,両グループの先輩に可愛がってもらえ,知識も増えました.

――そのせいでしょうか,研究室内のイベント係や同窓会担当といった人間関係の潤滑剤や憩いの場を提供する役割を就いておられるのですね.

 イベント係は,夏合宿(ゼミ合宿),新歓コンパ,忘年会,追いコンといった定例の行事の会場確保や行き先の決定,当日の運営に関わる役目ですが,コロナ禍のため,2年前の追いコンから,どれも実施されないままでした.まだまだ収まりそうにないということで,昨年秋からZoomを使ったオンラインイベントだけでもやろうということになりました.そのための企画や準備は,細川君のLab.Lifeで語られています.
 今年の夏は,何とかゼミ合宿を復活させたいと考えていますが,このままコロナ感染が下火になって行くといいのですが・・・.
表示画面例(体験者のHMDに表示される) 体験風景

かつての夏合宿での楽しい光景(これが復活できるか?)

 RM2Cは同窓会組織もしっかりしていて,東京地区や東海地区では,社会人1年生のための新人歓迎会が毎年春に開催されていたそうです.それもこのコロナ禍で開催できずにいたので,先日,オンライン同窓会&新人歓迎会が開かれました.Zoom開催だったので,現役学生の同窓会係も参加してみたのですが,そこで登場された先輩のお話に感激しました.とても役に立つ内容で,社会人になる前の就職時期に聴くべきだと感じました.ゼミ合宿に先輩を招待するか,ネット経由のオンライン公演でもいいので,この種の企画を実現したいと考えています.
 もう1つ楽しみにしているのは,卒業生も増え,同窓会の規模も大きくなったので,分科会として,女性会員だけの「女子会」が計画されていることです.言わば,Girls Lunchの同窓会版ですね.結婚・出産・育児・職場復帰を経験されたOGの先輩たちと交流できる同窓会というのは,理系の女子学生にとって大きな魅力です.

――その前に,どういったところに就職し,どんな仕事をしたいと考えておられるのでしょう?

 父がトヨタ自動車に務めているため,以前は自分も自動車業界にと考えていたのですが,最近は少し変わってきました.データベースや通信に関わる研究になったため,その分野に携わることのできる企業も視野に入れたいと思っています.