リアリティメディア研究室[木村研究室]配属特設サイト

FAQ

(以下のQ&Aは,実際に過去の研究室説明会で出た質問を中心に,それを拡張した想定質問も含めて,回答を述べています)

Q. 木村研,柴田研は,共同運営/一体運営とのことですが,どこまでが共通で,何が別々なのでしょうか?

A. 何もかも,ほぼ同じと考えてもらって結構です.ゼミも,夏期合宿,忘年会,追コン等の各種イベントも合同で行なっているし,研究室生活で各学生が経験する機会や責務も同じと考えて下さい.と言っても,名目上の指導教員は別なので,卒業式での卒業証書の手渡しは,配属された研究室の指導教員であり,卒論や修論の指導教員名も記録上はそうなります.
 元々は,木村研は「メディア情報学科」,柴田研は「情報コミュニケーション学科」に所属していたので,履修している科目は異なり,各学生のバックグラウンドとなる知識が少し異なっていました.このため,3回生の「卒業研究1」の間に,互いにクロスして他学科の実験・演習の一部を経験して,このバックグラウンドの違いを埋めるようにしていました.
 情報理工学部が学科制から現在のコース制に変わり,同じ「実世界情報コース」に所属するようになったので,ますます両研究室の違いがなくなりました.他の倍のサイズの大きな研究室に,2人の教授がいると考えてもらえばいいです.

Q. RM2Cという表記をしばしば目にしますが,何のことですか?

A. この合同研究室の愛称です.「リアリティメディア研究室」(木村研)と「モバイルコンピューティング研究室」(柴田研)の英語表記 Reality Media & Mobile Computingで,Mが重なるので,少し洒落っ気を入れてRM2Cと略しています.正式には,2を上付き文字にします.ロゴではそうなっていますね.

Q. 研究室名が異なるということは,専門分野は少し異なるということではないのですか?

A. その通りです.木村と柴田の個人的な専門分野は少し異なりますが,それゆえRM2C全体では幅広い研究分野を対象とすることができ,交流する他大学の研究室や企業も増え,在籍学生は自然にその広めの知識とスキルを得られることになります.
 元々「リアリティメディア研究室」は,木村研の前身である田村秀行教授の研究室名であり,情報理工学部の看板研究室でした.木村研は,その田村研の資産や見識や研究スタイルをそっくり継承しています.柴田研は最初から別学科の独立研究室だったのですが,2003年の1期生配属の時から,RM研とMC研の合同一体運営を始めていました.田村先生の専門であるVR/AR/MRに,柴田,木村の専門が加わり,より強固なRM2C研のテーマになったと言えます.
 当時,木村は自分の学生をもたない田村研の助教授(後に准教授)であり,3人でRM2Cを運営していました.田村先生は2013年春に学部教授を定年になられましたが,その後も特別招聘教授,客員教授として,顧問的な存在でRM2Cを支えて頂いているので,3人で2研究室分のRM2Cを指導・運営しているというスタイルは今も同じです.

Q. 研究室説明会で紹介された4つの研究グループでは,柴田先生,木村先生の指導に分かれると漏れ聞いたのですが,そこでも所属研究室に関わらず,同じ扱いなのですか?

A. 全学生の研究を常時2人で見ているのは非効率なので,4つの研究グループ(Gr.)に分け,日常的に研究指導し,柴田,木村が各々2つのGr.の主担当として,定例のGr.ミーティング(ほぼ週1回)を行なっています.これは日常的指導の分担というだけで,合同のゼミで進捗確認を行ない,最終的には共同責任です.対外発表や論文でも,すべて連名です.よって,このGr.配属でも,木村研,柴田研の区別はありません.
 このGr.配属決定は4回生の4月に希望調査を行ない,GW明けに各Gr.に配属され,実質的な卒論テーマの決定に進みます.木村研と柴田研の差はつけませんが,大学院内部進学組か,他大学への院進や学部卒での就職での転出組かで,別扱いの枠となります.残り1年足らずと,そこからプラス2年以上とでは,研究テーマの与え方が異なるためです.

Q. ということは,木村研配属の学生が日常的には柴田先生の指導を受け,柴田研の学生が卒論まで木村先生の指導を受けることも有り得るのですか?

A. その通りです.それで何か不都合がありますか? 学生個人は勿論,自分の名目上の所属研究室は知っていますが,他の学生がどちらだったか,誰も意識していないのが実情です.実は,卒論発表間際まで,指導教員自身がどちらの学生だったか気がつかなかったという出来事もしばしばありました.

Q. 4回生GW明けのGr.配属までは卒論テーマが決まらないということは,3回生の「卒業研究1」では何をするのですか?

A. 3回生の「卒業研究1」は合同で,一緒に卒研の基礎となる知識を学び,個人毎の卒業研究には入りません.3回生の内はしっかり授業科目の単位を修得して,4回生では「卒業研究2」「卒業研究3」以外の単位を残さないで欲しいからです(残った場合は,仕方ありませんが).
 秋学期(後期)試験後の2月から作品製作の「ジュベナイル・プロジェクト」で2〜3のチームに分かれますが,ここでも木村研と柴田研の区別はありません.GWのGr.配属後も,そのGr.での基礎知識の取得やツールの利用法をマスターしたりするので,個々人の卒論テーマが決定するのは,早くて夏休み前というのが実態ですね.そこから先は,一気に卒論に向けてまい進してもらいますが.

Q. それほど木村研と柴田研の違いがないのなら,コース内の配属希望調査ではどちらを上位にして希望すればいいのでしょうか?

A. どちらでもお好きなようにどうぞ(笑).就活や入社後に,所属を「リアリティメディア研究室」と名乗りたいか,「モバイルコンピューティング研究室」と言いたいかの違いでしょうか.
 同じ実世界情報コースになったので,実質的に定員が2倍になったと言えます.配属決定の最低ラインが下がり,RM2Cを希望する学生にとっては入りやすくなった訳です.
 ただし,希望順位は連番にしないと意味がありません.柴田研を第1希望にしたら,木村研を第2希望にすべきで,その逆もありですね.

Q. この連番で記入というのは規定ですか? それに従わないとどうなるのでしょう?

A. 別に罰則はなく,コースの配属ルールに従って,配属研究室が決まるだけです.現行の配属ルールは成績順なので,上から順に配属先が決まって行き,当該学生の成績に達した時にRM2Cのいずれかの枠が残っていれば,どちらかに入れるので,連番にすべきだということです.
 連番というのは,1位,2位だけでなく,第3希望まで他を希望し,第4希望,第5希望の場合も,柴田研と木村研と続けるか,その逆にするという意味です.我々の2つの間に他研究室を入れると,そこに行ってしまう可能性もあるので,RM2Cを希望した意味がなくなってしまう訳です.

Q. 大学院進学の比率が高いようですが,そうでないと不利になる,あるいは,研究室内での居心地が悪いということはないのでしょうか?

A. コース内の研究室配属は成績と取得単位数によるものなので,勿論,卒業後の進路予定は影響しません.
 RM2C内のGr.配属は,上述のように内進組と転出組を別枠で考えているので,進路による有利不利はありません.学部卒で就職の場合は,それなりに卒論までで一区切りつけやすい卒論テーマを与えるので,内進組と比べて少し易しいテーマになっているかも知れません.居心地と言われると,現在の転出予定者に聞いてもらうしかありませんが,それでいじめに遭ったという話は聞いていません(笑).
 ただし,内部進学であれ,他学部,他大学への進学であれ,大学院進学を強く勧めていることは事実です.家庭の経済事情があるので強いることはできませんが,現代社会で理系の大学生であれば,最低限修士号を得ているのが普通と見なされるのが実態のようです.例年,RM2C配属後,卒研1の間に先輩達の声を聞いて院進に切り替える学生は多く,実際に学部卒扱いでの就活を始めてから,内部進学に切り替える学生もかなりの数います.
 最近は,企業に就職する場合でも,可能なら博士後期課程まで進んで博士号を取得することを勧めています.国際社会の中で,外国企業の技術者と交流することになった時,修士号どころか博士号も必要と感じることも少なくないようです.このため,在学中に博士後期課程を勧めたのに,さっさと就職しておきながら,今頃になって社会人ドクターコースに戻ってきた卒業生も複数名います.
 学歴が低くて肩身が狭く感じるのは,RM2C内でなく,卒業後の企業内で大いに有り得ることだと思います.

Q. RM2Cは就職実績が凄いという噂ですが,何か秘訣でもあるのですか?

A. 噂だけではなく,これは本当でしょう.ホームページでの就職実績欄を他研究室と比べてもらえば分かるはずです.
 秘訣というより,理由ははっきりしていて,まず1期生,2期生の頃,学部の看板研究室であった田村研の人気が高く,最難関で成績の良い学生が来て,院進率も高かったことです.共同運営ということで,柴田研もその恩恵に与りました.メディア情報学科内の木村研のレベルが常に高かったのは,学生間での人気が定着していたからでしょうか.
 単に成績や意識が高かっただけでなく,大企業の研究所長経験者であり,学科の就職委員であった田村先生の就活指導が適切で,個人的なコネのお蔭で著名企業への就職が相次いだこともあります.一旦,そうした就職実績が積み上がれば,OB/OGたちが企業側からのリクルータとなってやって来ます.その際,ついつい自分の研究室の後輩に目をかけてくれることになり,有利になります.RM2Cだと1ランク上と見做してくれる会社もあるようです.
 ただし,RM2Cに配属されてじっとしていれば,有名企業に就職できる訳ではなく,自分がしっかり研究して,知識も意識も高める必要があることは言うまでもありません.企業側はそこをしっかり見ているのだと思います.
 そうしたトータルで就活に強いと言えますが,これは強豪野球チームや陸上部員を擁する高校や大学に入って厳しい練習に耐えれば,甲子園や箱根駅伝へ出場しやすくなるのと似ていますね.偏差値の高い大学入試に合格するには,進学校に入るだけでなく,その中でしっかり勉強して,平均以上の成績であることが必要条件であることとも似ていると思います.

Q. 研究室内での指導は厳しく,下級生の指導等の責務も多く,守るべき規則やマナーも沢山あるという噂を聞いたのですが,それは真実でしょうか?

A. この時期,昔から学生間では芳しくない「噂」が流れていたようです.1つは,既に在籍の4回生以上が,配属希望調査で自研究室を有利にするために他研究室のネガティブな情報を流すというケースです.もう1つは,3回生自身が自分が希望する研究室の人気を下げて,希望を通りやすくすると言う感心しない行為です.約10年前はそうしたことが横行したので,現在のような成績順に決めるという配属方式になり,そうしたネガティブキャンペーンは減ったと思います.
 旧情報コミュニケーション学科では,柴田研は管理が厳しいブラック研究室の1つと見做されていて,不人気であったことは事実です.これは,同学科は緩い,楽ができるという噂から,それを望む学生が多数所属していたためです.放任主義かきちんときめ細かな指導するかは,担当教員の個性と言えますが,実際に同学科では,放任主義で卒論で楽をできるという研究室に人気が集まっていたようです.RM2Cの2研究室は同じように運営しているのに,メディア情報学科の木村研究室は人気も学生のレベルも高く,情報コミュニケーション学科の柴田研究室はブラック扱いで不人気というのは,随分おかしな話でした.
 特段の用のない限り,毎日研究室に顔を出すというのは理系の研究室の基本であり,運動部が毎日練習するのと同じです.きちんとした研究テーマを与えて,進捗管理するのは,優秀で意識の高い学生を有する研究室の義務だと考えています.強豪チームを率いる監督やコーチの意識と同じです.
 4回生までは先輩達のお世話になることが多く,院生になると全く立場が逆転して,指導側に回ります.その意味で院生の責任業務は多いですが,それもまた本人が成長する教育の一環と捉えています.研究室生活のお作法やルールが増えたのは,進学率が高く,大所帯のためで,自然に増えてしまったのでしょう.これもまた強豪チームの練習メニューや進学校の受験対策と似ていて,それゆえに上記の就職実績の良さに繋がっているのかと思われます.
 放任主義の運営で,拘束が少ない方が「楽」と考えがちですが,学部生の内はきちんとレールを敷いてもらい,先輩からの指導が多い方が卒論執筆には「楽」とも考えられます.いずれをとるかは,個人の価値観の問題です.
 RM2C研は,単に「楽して」卒業するよりも,「楽しく」研究することを望む学生に向いていると思います.