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○夏目 達也(なつめ たつや)さん
 【現在,修士2回生.日立製作所に就職内定,静岡県立浜松北高校出身】

――まず,なぜ立命館の情報理工学部を選び,実世界情報コースの木村研究室を選んだのかから語ってください.

 いくつも受けたのは皆さんも同じでしょうが,少し背伸びしたところは落ちて,実力相応のところに落ち着いたということでしょうか.最終的に立命館にしたのは,情報系が充実していたということもあります.
 情報理工学部を選んだのは,兄の影響で,やはり情報系の学部でプログラミングを熱心にやっていたからです.自然と私も同じ道を選んだ訳です.
 実世界情報コースを希望したのは,1回生の授業で,HI, VR/ARが一番面白そうで,興味を持ったからです.木村研か柴田研かは,あまり深く考えませんでした.一体運営で,実質的に同じだというので,それじゃどちらでもいいかと思い,木村研を第1希望,柴田研を第2希望にしました.木村研配属の学生は,結果的に全員そうだったようです.自動車好きの学生は,今はなくなった和田研か,柴田研か迷っていたようですが,柴田研配属学生の大半は,柴田研が第1志望,木村研が第2希望だったようです.
 実際に入ってみると,想像した以上に一体運営だったので,希望順位を連続で書くなら,どちらを先に書いても同じことですね.

夏目さん

的に全員そうだったようです.自動車好きの学生は,今はなくなった和田研か,柴田研か迷っていたようですが,柴田研配属学生の大半は,柴田研が第1志望,木村研が第2希望だったようです.
 実際に入ってみると,想像した以上に一体運営だったので,希望順位を連続で書くなら,どちらを先に書いても同じことですね.

――入学後は,何かサークル活動はやっておられたのですか?

 2回生からアコーステック・サークルに入りました.父と兄がずっとギターをやっていて,かなり上手いです.自分だけできないのも恥ずかしいので,思い切って大学から始めました.
 サークルはBKCだけで約60名で,週一で練習します.大体15〜30人程度しか練習に来ないのですが,私は上手い人たちと仲が良かったので,4回生になるまでは,毎週参加していました.そのお陰で,そこそこ腕は上がったと思います.それでも,兄には到底敵いませんが….

コンサート風景

コンサート風景
(場所も衣装も随分とカジュアル)

桜島での合宿

桜島での合宿
(コロナ前は良かった)

――研究成果は随分あり,もう何度も学会発表しておられるそうですね.それを少し詳しく聞かせてください.

 これまでに3回研究会で発表しています.最初の学会発表は,私の卒論研究そのものではなく,その前提となる先輩(RM研14期生 内村裕也さん)のアイジェスチャの基本的な研究です.内村さんが修論内容を対外発表されていなかったので,それを発表しておかないと,それを継いだ私の研究成果を発表する訳にいかないというので,私が内村さんの研究実験内容を整理して論文投稿することになったのです.
 4回生の3月中旬に研究会での口頭発表でしたが,事前に論文を提出する必要がありました.卒論の発表練習と同時期に学会論文の構成も考えなければならないし,時間に追われ落ち着かない日々でした.その際には,「今一番優先しなければいけないことは何なのか」と,タスクに優先順位を付けることを意識しました.卒論発表が終わった夜から,ひたすら学会の原稿執筆に取り組みました.大学入学後で一番多忙な時期でした.ずっと思い出に残る体験です.
 学会原稿は卒論と違ってページ数制限があったため,執筆の際には,短い文章でいかに要点を上手く伝えることができるかということを意識していました.先生方にお見せできる第1稿を書き上げるまでが大変でしたが,それに比べると実際の学会発表前の準備の方が余裕がありました.

――その学会発表で,賞を獲られたそうですね.

 はい.情報処理学会第192回ヒューマンコンピュータインタラクション研究会で発表し,「学生奨励賞」を頂きました.時節柄,オンライン開催で,少し気は楽だったのですが,それでも結構緊張しました.今回,このような賞を受賞することができたのは,原稿を何度も添削してくださった先輩や,発表練習の際に助言をくださった先生方のおかげです.学会では,他大学の学生の発表を聴き,とてもよい刺激を受け,より研究に対する意識が高まりました.

筋電位計測を用いたアイジェスチャ認識

筋電位計測を用いたアイジェスチャ認識

見事「学生奨励賞」を受賞

見事「学生奨励賞」を受賞

――2回目以降は,どうだったのでしょう?

 内容的には,大学院進学後の私のオリジナル研究なので,その点でもまとめやすかったし,論文執筆も発表も慣れました.残念だったのは,いずれもオンライン発表だったことです.特に3回目は,石垣島での開催予定だったので,楽しみにしていたのですが,結局はオンライン開催になってしまいました.
 先月,これまでの成果をまとめて学会論文誌に投稿したので,いま査読中です.

――就活の成果も華々しく,多数内定を得られたそうですね.

 6社から内々定を得ましたが,勿論,5社は辞退しました.途中辞退した会社もありますが,約20社受けたので,10社以上,不合格だったことになります.
 田村先生からは,「ロクな準備もせず,いい加減な気持ちで低ランクの会社を受け過ぎだ.無駄な時間を使い過ぎだ」と,叱られてしまいました.過去の先輩の結果を見せて頂くと,確かに数社しか受けておられないし,それでいて立派な大企業に入っておられました.
 我々の世代が多数社受けてしまったのは,コロナ禍で,前年の先輩たちの就活状況を知らず,同級生たちとも殆ど情報交換しなかったこともあるかと思います.また,ほぼ全てZoomでのオンライン面接だったので,大した準備もせず,気楽に受けてしまったのかと…….それで,受験者数も劇的に増え,企業側もどんどん不合格にしているという悪循環だそうです.

――最終的に最難関の1つ,日立製作所にされたのですね.やはり,学会発表の実績が評価されたのでしょうか?

 何が決め手だったのかは分かりませんが,大手企業ではほぼ100%学会発表のことを尋ねられました.その意味では,就活時までにしっかり対外発表の経験をしておくべきだと思います.
 私はOB訪問しての情報収集はしなかったのですが,RM2Cの先輩が多数入社しておられる会社なので,入社後に色々教えて頂いて,成長したいと考えています.

――最後に,後輩たちにアピールされたい,この研究室の最大の魅力は何でしょう?

 対外発表や論文執筆のサポートが手厚いことだと思います.その点では,情報理工学部では1, 2を争う研究室でしょう.単に人気研究室というだけで選ぶのではなく,厳しく鍛えられて,自分を磨きたい学生に来てもらいたいです.