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O plus
E誌 2003年5月号掲載 |
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『アイ・スパイ』
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(コロンビア映画/ソニ−ピクチャ−ズ配給) |
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オフィシャルサイト[日本語][英語] |
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2003年3月12日 SPE試写室 |
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[4月26日より全国東宝洋画系にて公開中] |
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(注:本映画時評の評点は,上から  , , , の順で,その中間に をつけています。) |
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キャスティングよりも,監督の起用ミス |
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試写会のスケジュ−ルが合わずに『スパイキッズ2』は取り上げられなかったが,『トリプルX』(2002年11月号),『カンパニ−・マン』(2003年2月号),そして本家『007/ダイ・アナザ−・デイ』(同号)と,昨年の秋以来,秘密諜報員もののオンパレ−ドだ。秘密兵器の表現にVFXはうってつけで,本映画時評の定番の1つとなりそうだ。
そして,その名もズバリの『アイ・スパイ』は,かつてのTV人気シリ−ズの劇場映画化だというが,筆者はこのシリ−ズは見ていない。1965〜68年の製作で,日本では1966年頃の放映だというが,当時TVでは『ナポレオン・ソロ』が圧倒的人気を誇っていた。
ビル・コスビ−とロバ−ト・カルプ主演のこのシリ−ズを今頃引っ張り出して来たのは,『ミッション・インポッシブル』『チャ−リ−ズ・エンジェル』の成功を見てのことだろうが,そうそう柳の下にドジョウが何匹もいるわけはない。名前を借用しただけで,本作品は設定も役どころも原作とはほとんど無関係のようだ。
米国が秘密裏に開発した,レ−ダ−でも肉眼でも捉えられない完全無欠の新型ステルス戦闘機が盗まれて,武器商人の手に落ちた。その奪還に起用された国家保安局BNSのエ−ジェントに,『シャンハイ・ヌ−ン』(00)『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』(01)のオ−ウェン・ウィルソン。その相棒役の極秘任務を大統領から依頼される無敵のボクシング・チャンピオン役には,『ドクタ−・ドリトル』『ナッティ・プロフェッサ−』の両シリ−ズでも健在ぶりを発揮しているお馴染みのエディ・マ−フィというから,スパイものでもコメディだということは最初から分かっている。そして,敵か味方か分からないセクシ−な美女に『007/ゴ−ルデンアイ』(95)『X-メン』(00)のファムケ・ヤンセンというから,悪くないキャスティングだ。
ところが,この3人の呼吸がイマイチ合っていないし,多種多様なスパイ小道具も,見せ場を失っている。これでは,エディ・マ−フィを使うのがもったいない。オ−ウェン・ウィルソンは,『エネミ−・ライン』(2002年3月号)の緊迫したチェイスものの方がいい味を出していた。監督はエディ・マ−フィの『ドクタ−・ドリトル』(98)を撮ったベティ・ト−マスだが,この女性監督にスパイものの独特のタッチやファムケ・ヤンセンの妖艶な魅力を引き出すことを求めるのは無理なようだ。
VFXの担当は,Sony Pictures Imageworks社で100人余。雪山,空中バル−ン,爆破シ−ンと出番は少なくない。言うまでもなく,見えないステルス戦闘機(写真)をいかに表現するかが腕の見せ所だったのだが,ディゾルブ風の登場の仕方では能がない。折角面白くできる着想を生かし切っていないのは,この女性監督が男のロマンと遊びを理解してないことが最大の原因ではないかと感じてしまった。 |
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写真 ステルス戦闘機の撮影風景(背景はグリーン一色)。 |
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