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(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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競合相手と堂々と渡り合う破壊スペクタクル大作 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
誌面の都合で最後になったが,本作はメイン4本の中では最も早く公開され,本号が出る頃には公開後1週間以上経っているはずだ。というより,本来は先月号で他のパニックものと比べたかったのだが,試写が間に合わなかった。それでも,遅ればせながら本号で取り上げたのは,是非語っておきたい一作だからだ。 いや,本当に比べたいのは,先月号の数本でなく,6月号短評欄の『エンド・オブ・ホワイトハウス』(以下,先行作と呼ぶ)である。共にホワイトハウスが襲撃され,大統領が捕らえられ,米国政府が窮地に陥る。爆発や銃撃アクションの連続で,CG/VFXもたっぷりだ。意図的な競作でなく,これだけ企画が酷似した作品が続いて公開されるのは珍しい。ハリウッド大作となると,通常は企画から,脚本執筆,撮影開始,完成,公開まで数年はかかるから,偶然の一致であり,途中からは両陣営とも当惑したようだ。その結果,少しでも公開時期を早める競争となるが,本作は(米国での)公開日を11月2日から6月28日まで早めたものの,先行作(3月22日公開)には及ばなかった。しかも,その先行作が娯楽作品としての完成度が高かったとなると,本作の広報宣伝担当者は,さぞやりにくかったことだろう。 両作を比較しながら,本作を語ろう。まず,孤軍奮闘で敵と戦う主演俳優は,先行作はジェラルド・バトラーで,元シークレット・サービス,現警備員役だった。本作の主演は,先月号の『マジック・マイク』で紹介した売り出し中の若いチャニング・テイタムで,大統領護衛官の面接試験に落ちた議会警官で,娘を連れてホワイトハウスを見学中という設定だ。役柄や戦闘能力は似たようなものだが,製作総指揮を兼ねるだけあって,中盤以降の活躍振りは,G・バトラーに軍配が上がる。 大統領役は,先行作はアーロン・エッカートで,助演に過ぎないのに対して,本作は人気黒人俳優のジェイミー・フォックスで,ダブル主演の扱いであり,登場場面も多い。その半面,大統領が活動的過ぎ,少し風格に欠ける。やはり,こういう役柄はモーガン・フリーマンの方が似合っている(もっとも,彼は先行作の下院議長役で,起用できなかったが)。大統領官邸を占拠する敵は,先行作では早い時点で北朝鮮のテロリストと判明しているが,本作では内部事情に詳しい一団と判っているだけで,黒幕の正体は最後まで明かされない。 監督は,先行作が『トレーニング デイ』(01)のアントワーン・フークワであるのに対して,本作は「破壊王」のローランド・エメリッヒが起用されている。『インデペンデンス・デイ』(96)でブレイクし,『デイ・アフター・トゥモロー』(04年7月号)『2012』(09年12月) と続くと,まさに災害スペクタクルの巨匠で,CG/VFXの発展史を支えてきた監督の1人と言える。 物語は淡々と始まり,冒頭30分は嵐の前の静けさだ。国会議事堂ビルの爆破(写真1)以降は一気呵成で,全く息をもつかせぬ展開となる。先行作と堂々と渡り合い,予想通り破壊力のスケールは数段上だった。以下,CG/VFXを中心としたその見どころである。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ 『インデペンデンス・デイ』では模型を火薬で爆破していたが,本作の爆発シーンはほぼすべてCG/VFXの産物だ(写真2)。議事堂やホワイトハウスの内外装は,精巧な模型や実物大セットが制作され,さらにそれをVFXで加工して本物そっくりに仕上げている(写真3)。全編で約1,000のVFXシーンがあり,Uncharted Territory,Method, Prime Focus, Hybride, Scanline VFX, Luxx, Image Engine, Crazy Horse Effects等が参加している。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ 先行作の舞台がホワイトハウス周辺に限定されているのに対して,本作ではワシントンD.C.の主要部分もCGモデル化されていて,その映像が随所に登場する。一見実写に見えるが,大統領を乗せた飛行シーンの景観もほぼデジタル製と考えてよい。大統領専用機エアフォース・ワン(写真4)や戦闘ヘリのブラックホーク(写真5)も大半がCG製で,その爆発シーンも見事だ。搭乗者が見えるアップのシーンや地上に墜落したヘリ等は,実物大模型(写真6)だが,複雑なカメラワークの場合でも,CGとの継ぎ目を感じさせない。 |
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写真5 ホワイトハウスに向かうブラックホークが,敵の攻撃で炎上 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ その他では,官邸前庭でのカーチェイス・シーン(Image Engine社が担当)が出色で,このシーンにもVFXが多用されている(写真7)。コンピュータ・システムをハッキングするシーンのビジュアルも,良く出来ていた(写真8)。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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■ 本作の欠点は,主人公の娘である少女の存在だろうか。公開が後になった以上,家族連れの観客層を狙った役柄を登場させたのかも知れないが,彼女の存在自体が白々しく,そのセリフも鼻についた。中盤の素晴らしい緊迫感を損なってしまったのが残念だが,CGの出来を加味して,評点は先行作と同じに留めた。 |
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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