![]() |
||||||||||||||||||||
![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ![]() | ||||||||||||
|
![]() |
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() ![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
![]() |
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
もはや特殊メイクは不要,驚くべき質感での大活劇 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5年以上も前になるが,『キング・コング』(06年1月号)を観た時に,次はこのリメイク作が出て来ると確信した。キング・コング一匹ではあったが,着ぐるみでも顔面特殊メイクでもなく,CGであの表情と動作を描き切ったのであるから,多数のチンパンジー,オランウータン,ゴリラが入り乱れる『猿の惑星』をCG満載で再々映画化するに違いないと予想できた。実際には,期待を遥かに上回る素晴らしい映画に仕上がっていた。 オリジナルを知らない若い読者のために,少し解説しておこう。原作はピエール・ブールが1963年に著したSF小説だが,フランクリン・J・シャフナー監督,チャールトン・ヘストン主演で1968年に映画化され,SF映画史に残る作品となった。恒星間飛行が可能となった近未来に,300光年先のベテルギウスに向かった宇宙船が不時着し,3人の宇宙飛行士たちが降りた惑星では,知性をもった猿が退化した人間を支配していた……。という筋書だが,精巧な猿の顔面メイクと原作とは異なる衝撃のエンディング・シーンが大きな話題となった。 当時アカデミー賞にメイクアップ部門はなかったが,本作がきっかけとなって1980年代に創設され,特殊メイク担当のリック・ベイカーは,その後7度もオスカーを手にし,当該分野の第1人者となる。興行的にも成功し,多くのファンを得て,1970年代前半に続編4本が作られた。筆者が映画館で観たのは2作目までだが,その後TV放映されたものをVHSテープに録画して,シリーズ5作品を今も保存している。一方,今世紀に入って再映画化され,ティム・バートン監督版の『PLANET OF THE APES/猿の惑星』(01年8月号)が登場した。こちらの方が原作小説に近い物語だったが,鬼才T・バートンにしては凡作であった。特殊メイクは進化していたものの,CG/VFX的にも今イチの作品だった。 本作はリメイクというより,旧シリーズ第1作以前の時代に戻り,「猿が人間を支配するようになった起源」を探るという。「創世記」の副題がついているように,流行の「ルーツ」「ビギニング」ものと言ってよい。遺伝子工学実験により,驚異的な知能をもつ一匹のチンパンジーが誕生し,やがて猿たちのリーダーとなる。彼の名は「シーザー」。旧シリーズのファンならすぐ分かるように,第4作目『猿の惑星・征服』(72)以降に登場するリーダーと同じ名であり,同作のリメイクだとも解釈できる。 監督は,英国出身のルパート・ワイアット。これが長編2作目,ハリウッド・メジャーでのデビュー作となる。シーザーを育てる人間側の主演は,『127時間』(11年6月号)のジェームズ・フランコ,その恋人役にはフリーダ・ピントだ。『スラムドック&ミリオネア』(08)のヒロインを演じた,あの可愛いインド人女優である。そして,Mocapスーツを着てシーザーを演じるのは,アンディ・サーキス(写真1)。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのゴラム,前述『キング・コング』でコングをパフォーマンス・キャプチャで演じ切った経験者だから,この分野の第1人者と言える。映画終了後,クレジットロールが流れ,キャストにさしかかった時,会場が沸いた。彼の名前が先頭にあり,準主役級の猿を演じた俳優の名前が続く。J・フランコ以下,人間役の俳優はそれ以下の扱いであり,完全に猿が主役の映画だということだ。勿論,シャレのつもりだろうが……。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真1 シーザーのメイキング過程。演じるのは,世界一のMoCap俳優アンディ・サーキス。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
スチル写真や予告編から想像した以上に,この猿のCG表現は凄かった。動きも表情も完璧だ。動物園の猿山などは本物かと思ったが,すべてがCG表現だ。多数の猿の登場場面では,一匹ごとに個体差がついている(写真2)。CG制作担当はWETAデジタルで,最近では珍しく,1社で全VFXシーンの大半を描いている。来年のオスカーは,本作で決まりだろう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真2 多数の猿も一匹ずつCGモデルが異なる | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
表情の豊かさと演出のうまさに度肝を抜かれた | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真3 クライマックスは,ヘリに向かってのジャンプ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
写真4 悲しみ,怒り,戸惑い,決意等々の感情が,しっかりと描かれている | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
▲ Page Top | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |