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plus E誌 2010年1月号掲載 |
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(C) 2009 Imaginarium Films, Inc. (C) 2009 Parnassus Productions Inc. |
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オフィシャルサイト[日本語][英語] |
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[1月23日よりTOHOシネマズ 有楽座ほか全国ロードショー公開予定] |
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2009年11月30日 東宝試写室(大阪) |
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(注:本映画時評の評点は,上から  , , , の順で,その中間に をつけています。) |
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主役の急死と強力な代役スター3名の登場が話題
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本作もある種のファンタジーだが,『かいじゅうたちのいるところ』とはかなり趣が異なる。監督は鬼才テリー・ギリアムで,代表作とされる『12モンキーズ』(95)や『ブラザーズ・グリム』(05年11月号)も決して分かりやすいハリウッド調の映画ではなかった。修正拒否,製作中止,米国未公開等,作品公開までに紆余曲折がある監督だが,本作でもとびきりの事件があった。
ギリアム監督は 『ブラザーズ・グリム』で起用したヒース・レジャーとは,父と息子のような信頼関係を築く。ヒース・レジャーは,その後『ブロークバック・マウンテン』(05)の同性愛者のカウボーイ役でブレイクする.『カサノバ』(06年6月号)で主演,『ダークナイト』(08年8月号)のジョーカー役を演じた後,満を持してギリアム監督作品に再登場となった本作の撮影中に,何と薬物の過剰摂取により急死してしまう。まさにこの映画が遺作だ。昨年のアカデミー賞では,故人として2人目のオスカー受賞者となったことは記憶に新しい。
当然,本作はまたもや製作中止かと思ったのだが,どっこい,強力な代役を起用することで甦った。それも,ジョニー・デップ,ジュード・ロウ,コリン・ファレルという大物揃いである。故人と親交のあった盟友たちが,ここぞとばかり馳せ参じた訳だ。1人でも凄いのに,一体人気俳優3人をどう使い分けて登場させ,ヒース・レジャーの登場場面とつないだのかだけでも興味深い。
原題は『The Imaginarium of Dr. Parnassus』。直訳すれば,「パルナサス博士の瞑想具」というのだろうか。科学者であり旅芸人一座の座長でもあるパルナサス博士(クリストファー・プラマー)は1000歳以上だという。馬車に引かれた奇妙な舞台をロンドンの街角に置き,興行を始める(写真1)。博士の瞑想に導かれ,この舞台上にある「鏡」を通り抜けると,そこには魔法のような別世界が広がるという仕掛けだ。永遠の若さを手に入れるため,かつて博士は「生まれて来る娘が16歳になった時,悪魔に差し出す」という約束を交わしている。その期限が近づいた時,美しく成長した娘ヴァレンティナ(リリー・コール),彼女に想いを寄せる曲芸師アントン(アンドリュー・ガーフィールド),彼女が命を助けた魅力的な男トニー(ヒース・レジャー他)が,現実世界と瞑想世界を行きつ戻りつの複雑な物語を展開する……。
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写真1 この舞台だけで,監督のこだわりが分かる
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何と幸運にも,ヒース・レジャーは現実世界の登場場面を撮り終えていた。そこで,ギリアム監督は,トニーが鏡の向こうの別世界に入った時,同伴者の希望の顔に変身するというアイディアを思いつく。なるほど,これなら3大人気俳優をそのままの顔で自在に登場させることができる。この妙案で脚本を書き直し,3人を1人ずつ登場させることができた(写真2)。
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写真2 3人の強力な助っ人陣。順にジョニー・デップ,ジュード・ロウ,コリン・ファレル。
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鏡の向こうは全くの別世界だから,何を描こうとやりたい放題だ。『ブラザーズ・グリム』では750シーンにCG/VFXを使ったギリアム監督であるから,本作の幻想世界もデジタル処理のオンパレードである(写真3)。お菓子や靴やクラゲが多数登場するかと思えば,大きなピラミッドや桃源郷や地獄絵図も登場する。VFX主担当はPeerless Camera Companyで,他にはLola Visual Effects,Eyetronics等数社も参加している。数は多いが,それほど感心するほどの出来映えではない。
米国での一般公開は年末だが,既にカンヌ国際映画祭で特別公開され,批評家筋の評判は上々である。これまでのギリアム作品に比べれば,ぐんとスケールアップし,導入部もすんなりと入って行ける。摩訶不思議を鏡の中に押し込めたので,現実世界側が分かりやすくなったとも言える。とはいうものの,細部へのこだわり,美意識の強さは相変わらずであり,決して万人受けする作品ではない。喩えて言うなら,装飾過多のホテルのレストランで,ご自慢の料理がこれでもかとばかりに出て来る感じだ。それが口に合うグルマンにはいいだろうが,淡泊な和食好みの日本人にはカロリーが高過ぎる。
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写真3 鏡の中は,やりたい放題のファンタジーの世界。ほとんどの場面がVFXの出番。
(C) 2009 Imaginarium Films, Inc. All Rights Reserved. (C) 2009 Parnassus Productions Inc. All Rights Reserved.
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) |
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