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『イグジステンズ』のグロテスクSFXに比べて,こちらは爽やかで気持ちのいいSFXでした。原作の違いですね。 |
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まだ21世紀以降の未来社会は夢だと考えていた時代の作品だからでしょう。手塚治虫やアシモフは,そうした時代のシンボルです。 |
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でも,未来の街をクルマが空中浮揚するシーンは,いかにもという感じでステレオタイプでした。『フィフス・エレメント』や『SWエピソード1』でも見かけたシーンです。マット画で描いた背景の高層ビルもしかりです。他のSFXは良く出来てましたが…。 |
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こうした定番表現の方が安心して見ていられるからかな。でも,暗い未来社会を描いた代表作『ブレードランナー』(1982)でもクルマが空中走行をしているんですよ。まだCGは使っていませんでしたが。 |
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SFXも良質でしたが,あの老け顔のメイクアップは凄かったですね(写真2)。アカデミー賞メイクアップ部門ノミネートというのは,てっきりロボットのコスチュームのことかと思っていました。 |
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写真2 見事な老け顔のメイクアップ(とても同一人物とは…) |
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あれはあれなりに見事ですよ。ロビン・ウィリアム自身が,16kgもあるロボット・スーツを常時来て演技していたそうです。 |
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スーツの外からでも彼だとわかりましたね。脱いでからの歩き方もそっくりでした。でも,E・デイビッツやサム・ニールのメイクアップの方が凄い! |
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確かに「サム・ニールは本当はこんな歳だったのか。さっきのは若く作っていたのか」と思いました。
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顔のシミや髪の毛の生え際,手やアゴのたるみなど見事の一言です。これだけでも一見の価値はあります。ただ,「爽やか」と「凄い」の中で,この映画は長すぎると感じました。
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200年の重みを感じさせるため,わざと長く感じるように作ってあったのかも知れません。
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同じ日に観た『ボーン・コレクター』の1時間57分と14分しか違わないのに,1.5倍くらいに感じました。
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予想よりも面白く,いい映画でしたが,欧米では少し物議を醸し出したようです。
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どうしてですか?
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宗教上の理由だそうです。ロボットが人間になったのでは,神の存在は否定されると考える人がいるのでしょう。
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大半の日本人はそんなこと気にしないでしょうから,若い女性にはオススメの心温まる映画です。
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