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(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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方程式通りの潜水艦パニック映画 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ハリソン・フォード主演の正月映画で,米ソ冷戦時代のソ連原子力潜水艦で起こった事故がテーマだ。潜水艦映画に駄作なしというが,この映画も例外ではない。潜水艦という密室が舞台で,そこで起こる待ったなしの事件の緊迫感,男だけの世界の美学と価値観,心理作戦とかけひき……,といった設定に否が応でも感情移入させられるのが定番だが,この映画もその方程式通りの作品だった。 時代は1961年,ソ連の原子力潜水艦K-19の処女航海中に起こった原子炉事故という実話に基づくもので,28年間封印されていた史実を生存者への克明なインタビューにより再現している。冷却装置のひび割れから原子炉が過熱し,このままでは炉心のメルトダウンで大爆発を起こし,NATO基地の鼻先で核弾道ミサイルが発射されて第三次世界大戦の引き金となってしまう。この難事を放射能漏れと戦いながら,命を賭けて危機を回避した男たちの物語だ。原題は『K-19: The Widowmaker』。この艦は建造中からも事故死が相次いで「未亡人製造艦」の異名を与えられていたが,この事故とその後の後遺症で27名の命が失われ,その後も呪われたように事故を繰り返したという。 監督・製作はこの映画に5年間を捧げたという女性監督のキャスリン・ビグロー。男だけの世界をよく理解して,上手く描いている。ハリソン・フォード演じるアレクセイ.ボストリコフ艦長に対して対等以上の活躍の場を与えられたのは,『シンドラーのリスト』(93)『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』(99)のリーアム・ニーソン。この映画は,彼の代表作の1つに数えられることだろう。 冷戦時代が終り,ロシア政府の全面協力を得ての映画化ではあったが,本物のK-19は損傷が激しく使い物にならないので,フロリダ半島で展示されていた旧ソ連軍の潜水艦を借り受けて使ったそうだ。内部のパーツや外観も本物そっくりに作り上げたというのは,ハリウッドならでは金のかけかただ(写真1)。
VFXの主担当は英国のMill Film社。約70人の名前があったから,見た目以上に手がかかっている。海中シーンのK-19は大半がCGだろう。従来なら,スモークをたいた室内に模型を置いて撮影したところだが,CGの方がカメラワークの自由度が大きい。洋上で艦橋のアップからカメラを引いて,回り込みながらカメラを引いていくのも最近の流行だが,確かにスケール感を与える効果はある。潜水艦の背景に1960年代のソ連の町が描かれているシーンや,氷を突き破って海上に出現する訓練シーンなどもディジタル処理の結果だろう。いつものMill Film作品よりは合成のデキは悪くなく感じた。ILMの名前もあったが,これはごく一部の参加のようだ。 潜水艦ものの名作『Uボート』(81)『U-571』(00)のような他国軍との戦闘はないし,『レッド・オクトーバーを追え』(90)のような派手なストーリー展開もない。一艦だけの緊迫感という点では『クリムゾン・タイド』(95)に近いと言えるだろうか。正月映画にしては地味で少し固いが,放射能汚染の恐怖の描き方は見応えがある。名作ではないが,駄作ではない。見て損したとは思わない安心してみられる水準作だ。 |
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訓練シーンの激しさには驚いた | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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