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本シンポジウムのねらい

 21世紀に入り,ハリウッド大作映画でのCG/VFXの利用が日常化・本格化した頃から,エンドクレジットには,DIと共にPreViz,PreVis,pre-visといった項目が登場するようになりました.6,7年前にはまだ数えるほどの作品数であったのに,最近では大作の大半で利用され,専業スタジオも次々と現われ,1本の映画に複数社がクレジットされるに至っています.米国では昨年,業界団体「The Previsualization Society」が設立され,活動を開始しています.
 「映画制作を支援する複合現実型可視化技術」(MR-PreVizプロジェクト)は,こうした時代を予見して2005年度下半期から開始された公的研究プロジェクトで,独立行政法人 科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CRESTタイプ)の1つです.立命館大学・京都大学・奈良先端科学技術大学院大学が参加するこのプロジェクトでは,フルCGによるアニマティックスではなく,ハリウッドがまだ手にしていない「複合現実感(Mixed Reality)」によって,本撮影の現場での実背景に実時間で3D MatchmoveできるPre-Visualizationを目指してきました.デジタル技術の権化とも言えるこのMR-PreViz技術で,キャメラ・リハーサルや美術セットのシミュレーションが実現でき,本番撮影のコストダウンにも寄与します.
 これまで国内外の学会で基幹技術を研究発表してきましたが,プロジェクトの最終年度は,映像制作業界の皆様を主ターゲットにした成果発表会を企画しました.このシンポジウムでは,学術的成果よりも,(MR-)PreViz技術が映像制作のワークフローをどのように変え得るか,ビジネスモデルの革新,コスト削減効果等を,業界の有力企業2社に分析・検討・評価してもらった結果や実証製作した映像を中心に発表いたします.
 両社のレポート(文書)やMR-PreVizのツールキット(ソフトウェア)は,来春,プレビズ・コンソーシアムに参加する企業に情報公開・無償配布することを予定しています.今回はその事前告知や要望調査を兼ねたイベントなのです.新しいデジタル映像技術で未来を切り拓かんとする映画プロデューサー,映像クリエーターの皆様の多数の参加をお待ちしています.



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