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○東森 拓磨(とうもり たくま)さん
 【現在,修士2回生.パナソニックに就職内定,立命館守山高校出身】

―― 東森さんは,立命館守山高校の出身ですね.同学年では,同じ守山から柴田研の松木輝さん,立命館付属高校から石田隼也さん,立命館宇治からは若林優さんの計4人で,久々に付属高校組が多かった学年です.

 えー,そうなんですか.もっとコンスタントにいたのかと.前後の学年は少ないのですか?

東森さん

―― かつては一定数いたのに,1学年上も下も提携校の「初芝立命館」が1人ずついますが,学校法人立命館内の付属高校からはゼロですね.2学年下の昨年の3回生は,立命館宇治と立命館守山が1人ずつでした.特に守山高校はBKCへの供給源で,滋賀県内のBKCに,それもほぼ理工学部か情報理工学部にやって来るというイメージがあるので,もっと来てくれるといいのですが.

 木村研,柴田研に来なかったのは偶然じゃないですか.でも,守山高校からはBKCとは限らず,衣笠やOICにもかなり行きますよ.在校生は滋賀県民とは限らず,京都府からも多数通って来ています.それに,理系ばかりではなく.高校では文理の比率はほぼ同数です.私は,勿論,理系のクラスにいましたが.
 情報理工学部への進学枠は40名ありますが,定員一杯になることはなく,大抵20数名が情報理工を希望しています.

―― なるほど,それなら自宅が京都の文系クラスの生徒は衣笠に行きますね.情報理工学部は2024年のOIC移転が決まっているので,守山からが遠くなりますが,長岡京に移転した付属高校からは沢山来てくれるのではないかと.

 守山からが減りそうなのは残念ですが,最近情報系の人気は上がっているので,JRを使ってOICまで行こうという学生はいると思います.

―― では,東森さんの場合は,情報理工学部の中で,なぜメディア情報学科を希望し,その中でも木村研を選んだのでしょう?

 最初からVR,MRに興味があったからで,迷わずメデイア情報学科にしました.3回生の研究室配属では,木村研,野間研の順で希望しました.野間研は研究テーマが少し散漫で,木村研の方が専門性が高いと感じたからです.
 1学年下なら,実世界コースを選び,この研究室配属で,第1位希望を柴田研にしようか,木村研にしようか迷っていたかも知れません.でも,共同運営で実質同じだから,どちらを上位にしても同じことです.信用しない下級生が少なくないのですが,本当に実質同じだということは,入ってから実感できます(笑).

―― では,その木村研内での役割はイベント係ということですが,これはどういう理由から希望されたのですか?

 これは希望してなる役務ではなく,前学年担当の先輩達が選んで,GW前のバーベキューパーティの席で名前が発表されてしまうのです.まあ,それまでの雰囲気で,当たるんじゃないかと予想はしていましたが……(笑).
 この役をずっとやる訳ではなく,基本的には4回生の夏合宿から始まる1年の役目です.4回生の4人が,夏合宿の後,秋の3回生の新歓,年末の忘年会,春の追コン,そしてGW前のBBQを今度は主催者側に回り,夏合宿の企画をして,自分たちが選んだ後任のイベント係へと引き継ぐサイクルです.結構ヘビーだが,楽しく,先輩の中には,卒論執筆よりもイベント係業務の方に多くの時間を割いた方が何人もおられたそうです(笑).
 ところが,今年はそのサイクルが完結せず,追コン,BBQ,夏合宿が全部中止になってしまいました.特に,今年の夏合宿には,企業入社後5年以上経つ先輩を招待して,社会人経験を色々話して頂く新企画を考えていただけに残念です.オリンピックが延期になったくらいですから,仕方がないですが…….
 想い出としては,昨年の夏合宿は頑張りましたね.こちらは,前年(一昨年)大型台風の到来で,数日前に中止になっていたため,2年ぶりの夏合宿で先生方も,先輩達も気合いが入っていました.これまで,和歌山県,三重県,岐阜県,石川県といった近隣の県が多かったのに,少し欲張って初めて山梨県まで出かけました.甲府市や河口湖,忍野八海まで行き,富士山を間近に見られた充実した2泊3日でした.

葡萄ジュースを作る様子

見学先で葡萄ジュースを作る様子

忍野八海

富士山の湧き水が溜まった忍野八海

―― 東森さんは活動的で,研究室配属前にもせっせと海外研修に参加しておられたと聞きました.

 1回生と2回生の春休みに約1ヶ月間の語学研修に出かけました.1度目はオーストラリアのクイーンズランド州の州都ブリスベンでした.オーストラリアでは,シドニー,メルボルンにつぐ第3の大都市で,東海岸にあり,太平洋に面しています.昔は原住民のアボリジニが住んでいたそうです.
 平日は,大学の語学クラスに通っていました.中国人,台湾人,サウジアラビア人,日本人など,様々な人種が集まって英語を学んでいたわけです.クラスメイトとは,放課後に一緒に食事に行く仲になりました.休日は,海に遊びに行ったり,買い物に出かけたりしました.現地は夏で,何と言っても,海がきれいでした.

海と砂浜

海も砂浜もとにかくキレイ

カンガルーとの触れ合い

動物園のカンガルーと触れ合い

 2度目は国を変え,カナダ・ブリティッシュコロンビア州のケロウナという町でした.こちらは,州の中でバンクーバー,ヴィクトリアについで,3番目に大きい都市とのことですが,人口約12万人の落ち着いた町でした.バンクーバーからは東の内陸部に入ったロッキー山脈の麓にあります.平日はこちらも大学の語学クラスに通っていましたが.週末は滞在先のホストファミリーが観光に連れて行ってくれました.オーストラリアとは打って変わって,こちらはまだ冬でスケートやスキーができました.山から見たカナダの景色は綺麗で,今でも頭に残っています.

ケロウナの町

ケロウナは静かで落ち着いた町

樹氷と山から見下ろす景色

樹氷も山から見下ろす景色も美しい

―― 随分,楽しんで来られたようですね.そして,いよいよ昨年の卒論発表後は,卒業旅行で欧州まで行かれた訳ですね.帰国後は,しばらく自宅待機だったそうですが,現地女性と濃厚接触してこられたためでしょうか(笑).

 ずっと以前から計画していたことであり,まだ海外渡航禁止にもなっていなかった時期だったので,イタリア,スペイン,フランス,イギリスを廻ってきました.帰国したのは3月16日でしたが,日本でも欧州が危険地域との報道が広まりかけていました.心配になり,すぐに先生方に登校せずに自宅待機すべきか相談したら,「念のため,2週間自宅待機で,家でもできる研究をしておくように」との指示が出ました.
 濃厚接触してきた訳ではありませんが,イギリスでは一緒に写真を撮ろうと現地女性に呼びかけられました.さすがに,その写真の掲載は遠慮させて頂きます(笑).フランスやイギリスで感染が拡大したのは,もっと後のことですね.
 京都の某大学で,海外から帰国した学生がゼミの追コンや地域のイベントで参加者に感染させたことが発覚したのは3月28日だったはずです.当研究室は早くから追コン中止が決定していましたが,自分たちが某大学と同じような騒ぎを引き起こしていたら,大変なことになっていたと恐ろしくなりました(笑).
 そんな中で,4月2日に自宅待機をもう1週間延長しようと決めたら,それが終わらない内に緊急事態宣言があり,全学で入構禁止になった訳です.

―― それは大変なニアミス経験でした.もし,周りにも感染させていたら,研究室から永久追放だったかも(笑).でも,自主的に自宅待機を申し出られたのですね.先生方も早々と追コン中止を決定されるなど,当研究室の危機管理はしっかりしていた訳です.

 おかげで永久追放にならず,いまも在籍しています(笑).このまま,何事もなく,無事卒業できるといいのですが….

―― では,その後1年間のコロナ禍で,イベント係や後輩指導等の研究室生活はどうだったのか,教えて下さい.

 基本的にイベント係は4回生4人が新たに指名され,M1の春のBBQまで担当し,夏合宿から後輩の指導側に回ります.でも,昨年は卒業時の追コン,GW中のBBQ,夏合宿,秋の新歓,暮の忘年会のすべてが中止となりました.もう2サイクル目に入っても中止が続き,再開の目処は立っていないのはご存知の通りです.
 夏合宿と追コンの2大イベントはかなりのノウハウがあり,最後の経験者である我々の学年が修士で出て行ってしまうと,引き継ぎがどうなるのか心配ですね.イベント係内の先輩,後輩の交流も人間関係を深めるのに役立つので,是非早く定常状態に戻って欲しいです.
 研究室に入って来たら,イベントを楽しんで欲しいし,自発的に手を挙げて,イベント係になって欲しいです.
 研究方法や様々なお作法の後輩指導は,内容的には例年通りなのですが,オンライン中心になり,指導形態が変わってしまいました.オンラインだと下級生からの質問が少ないので,こちらから分かっていないところを察して,余分に説明しなければならなくなりました.

―― 研究成果の学会発表はされたのですか?

 院進してからの明確な研究テーマが決まるのが遅かったので,残念ながら,まだ対外発表できるレベルに達していません.海外の学会で発表できる状態であれば,もうちょっと頑張ったかもしれませんね(笑).オンラインでの参加・発表は楽ですが,まだ行ったことのない国での国際会議で現地に行けるとなると,一気にモチベーションが上がるので,早くコロナ感染が終わって,元に戻って欲しいです.

―― 就活はもう終わったそうですが,ご苦労はあったのでしょうか?

 就活は,形式的には6月1日の最終面接が残っていましたが,事実上は3月,4月の面接でマッチングが成立し,実質的に終わっていました.学校推薦でのパナソニックは,OGの田中美帆さん(木村研13期生)がリクルーターだったので,やりやすかったです.
 その他には,自由応募でソニーも受けましたが,これも合格しました.後追いの学校推薦を求められましたが.そういう訳には行かないので,学推のパナソニックに決定です.その意味では,打率10割ですね(笑).
 両方ともプレゼンは上手く行って,手応えがありました.特別な準備をしたつもりはなく,日頃RM2C内で鍛えられた通りにやっていただけです.両社とも多数の先輩が入社されているので,普通に真面目にやっていれば,内定は得られるという見本が私ですね.ちょっと優等生過ぎる発言ですかね(笑).
 やっぱり,新型コロナ騒動が早く終息して,卒研室で顔を会わせて語り合う研究室生活が早く戻ってきて欲しいものです.