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(注:本映画時評の評点は,上から![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
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お馴染の冒険活劇を,3D映像フル稼働で描く娯楽大作 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
言うまでもなく,19世紀に著されたアレクサンドル・デュマ作の小説の映画化作品である。翻訳書,児童書も多数出版されており,何度も舞台劇や映像作品にもなっているので,「三銃士」の名は知れ渡っているだろう。もう少し詳しい人なら,真の主役は,アトス,ポルトす,アラミスの三銃士でなく,彼らに憧れる若者ダルタニアンであることを知っているはずだ。さらに言うなれば,「三銃士」は彼の20年後,30年後も描いた「ダルタニアン物語」3部作の第1部に過ぎない。 ともあれ,この著名な冒険活劇を改めて映画化するからには,脚色に新機軸を打ち出しているに違いないと思ったが,予告編を観てぶっとんだ。何だ,何だ,これは!? 最新作なら3D化がセールスポイントであるのは分かるが,帆船が飛行船と化し,空を舞い,空中での砲撃戦まで登場する(写真1)。こんなのは原作のどこにあるのか? まるで『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの番外編かと思う奇抜さだ。これは風格のある歴史巨編ではなく,スペクタルで押す娯楽大作だと理解せざるを得ない。これは予め「伝説よりも,派手に」「決戦は,空へ!」なるキャッチコピーで,しっかり言い訳されていた。原題はシンプルに『The Three Musketeers』であるのに,邦題には長い副題がついている。なるほど「ダ・ヴィンチの飛行船」と聞けば,大いに興味をそそられる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真1 あっと驚く飛行船の戦い。これがダ・ヴォンチの飛行船。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
仏・米・英・独の4ヶ国合作で,製作費もたっぷり使ったのだろう。監督は『バイオハザード』シリーズで名をはせたポール・W・S・アンダーソン監督。となれば,主演は同シリーズの看板女優ミラ・ジョヴォヴィッチで,相手役は『キングダム・オブ・ヘブン』(05年6月号)のオーランド・ブルーム。この2人が王妃とダルタニアンかと思えば,そうではないらしい。彼らに怪女ミレディと危険人物バッキンガム公爵役をアサインした上に,敵役の筆頭リシュリュー枢機卿役に『イングロリアス・バスターズ』(09年11月号)のクリストフ・ヴァルツに配している。どうやら,この3人の悪役トリオの方が三銃士よりも存在感が上の脚色のようだ。 それでも,時代背景をお伽話風にミニチュア(実はCG)で説明し,三銃士の1人ずつを順に紹介することから始めている。田舎出のダルタニアンがパリに上京し,三銃士と決闘に及ぶくだりなど,基本骨格や登場人物は原作に忠実だ。ダルタニアンには『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(10)のローガン・ラーマン,彼が恋する王妃の侍女コンスタンスには,これが映画デビューとなるカブリエラ・ワイルドが配されていた。なかなかの好青年と清楚で可愛い美女のカップルである(写真2)。国王ルイ13世と王妃アンヌを加えた一通りの人物紹介と王妃の首飾りを巡る対決図式の説明が終わった後は,荒唐無稽なスペクタクル活劇の幕が切って落とされる。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真2 ちょっと応援したくなる,この若いカップル | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
前述のミニチュアをはじめ,大勢の兵士の整列や宮殿の床が開閉する等,随所にCG/VFXが登場するが,何と言っても見せ場は,後半の飛行船の対戦場面だ。CGで描いた空中での全体像も船上の実写場面のバランスが良く,共に質感は抜群だ(写真3)。その飛行船が落下し,ノートルダム寺院の塔に突き刺さるシーンは正に圧巻である。その屋根の上でのダルタニアンとロシュフォール隊長の対決シーンもCG/VFXの装飾満点で,背景に見えるパリの街も丁寧に描かれていた。写真4がどう化けているかは,劇場で観てのお愉しみだ。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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写真3 質感も3Dの立体感も抜群。地上も丁寧に描かれている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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もう1つの見どころは,豪華な宮殿と華麗な衣装である。ルイ13世の居館に選ばれたのは,ヴェルサイユ宮殿ではなく,ドイツのヴェルツブルク・レジデンツ(写真5)。建物も庭も素晴らしい。堂々たる世界遺産である。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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これらすべてが,3D画面で立体感たっぷりに描かれていた。既に『バイオハザードIV アフターライフ』(10年10月号)でリアル3Dを経験済みゆえ,アンダーソン監督はその演出効果を心得ている。その3D技術と同様,ミラ・ジョヴォヴィッチの使い方も上手い。豪華な衣装をまとい,縦横無尽に暴れ回る彼女の存在が,この映画を一層贅沢に見せている(写真6)。監督の現夫人であるから,魅力を引き出すツボを体得しているのは当然だが……。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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(画像は,O plus E誌掲載分に追加しています) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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