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視覚効果も音響効果も良質 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
題名からは,ドイツ映画の名作『U・ボート』(81)の続編かと思わせるが,SFXを多用し製作費120億円を投じたハリウッド映画の新作である。潜水艦ものとしては,冷戦終結前後の『レッド・オクトーバーを追え!』『クリムゾン・タイド』のヒットが記憶に新しい。第2次大戦を舞台にしたこの『U-571』は,これらを超える潜水艦映画の傑作として残るに違いない。
主演は『評決のとき』『コンタクト』のマシュー・マコノヒー。この作品が代表作となるだろう。共演は『ツイスター』『シンプル・プラン』のビル・パクストン。個性派のハーベイ・カイテルやデビッド・キースの他に,人気ロックグループ「ボン・ジョヴィ」のリードボーカル,ジョン・ボン・ジョヴィも潜水艦士官として出演している。 監督・共同脚本は,『ブレーキ・ダウン』(97)でデビューしたジョナサン・モストウ。とても2作目とは思えない実に巧みな演出である。シンプルなストーリーなのに,ぐいぐい引っ張って行く魅力がある。ドキュメンタリー出身だけに,こういう戦争ものは肌が合うのだろうか。 1942年4月,第2次世界大戦下の北大西洋戦線で,ドイツ軍の誇る高性能潜水艦Uボートが連合国海軍に大きな被害を与えていた。戦闘で故障し停泊中にU-571に対して,米海軍は旧式巡洋潜水艦S-33で味方を装い,U-571艦内にあるエニグマ暗号器を奪い取る作戦を展開する。偽装奇襲作戦で暗号器奪取には成功したものの,独軍潜水艦の攻撃でS-33は撃沈される。艦長を失った乗組員たちは,止むなく不調のU-571を操舵して,独軍潜水艦や駆逐艦と戦う。 あらすじでは面白そうに聞こえないが,実は緊迫感溢れる展開で全く飽きさせない。戦争映画というより,良質のサスペンス・アドベンチャーだ。潜水艦という密室が生む緊張感が,名作を次々と生む要因となっているのだろう。 映画の出来が良すぎたからか,イギリスからクレームがついた。Uボート拿捕やエニグマ暗号器回収は英国軍の英雄的行為であり,米国は自分の手柄にすり替えたという抗議である。英国議会で問題になり,ブレア首相までが抗議声明を出したとか。もっとも,モデルとなった英海軍兵士はこの映画の撮影に積極的に協力したというから,映画産業で歯が立たない老大国のひがみとしか受け取れない。 SFXには,Cinesite,Illusion Arts,Pacific Ocean Post等,複数社が参加している。とくに斬新な技法ではないが,ミニチュア製作,水中撮影,CG利用,ディジタル合成等,多彩な効果を丁寧に使っている。実物大の潜水艦2つが入る大きな水槽での撮影(写真)と外洋での撮影もうまく使い分けられている。その切り替えにあまり違和感を感じないのは,ライティングや後処理が優れているからだろう。撮影監督のオリバー・ウッドや美術監督のウィリアム・ラッド・スキナーの仕事もハイレベルだ。
表現力が向上すると,脚本も変わらざるを得ず,観客の好みも変わって行く。脚本,撮影,美術,音楽,視覚効果,音響効果…,いずれも層が厚いから,世界中の観客の最大公約数を満足させられる題材と料理法を自在に選ぶことができる。この『U-571』も,そんなハリウッドの実力を感じさせる映画である。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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わくわくする戦闘シーン | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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* 沈黙の艦隊 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
1988〜1996年コミック誌「週刊モーニング」(講談社)に連載された劇画。作者は,かわぐちかいじ。日米で秘密裏に共同開発した最新原子力潜水艦が,独立国家「やまと」を宣言し,核抑止力と国防論議を巻き起こす物語。原潜に関する緻密な取材と大胆な戦闘場面の描写で人気を博した。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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