ちょっと俗だが,紙幅が余ったので,アカデミー賞の予想と VFXに縁が薄い話題作についても触れておこう。
今年のオスカー・レースは,作品賞・監督賞ともに『アビエイター』が頭1つリードしている。それだけの価値ある骨のある作品だ。 3月下旬公開なので,来月号で取り上げる。主演男優賞は,その『アビエイター』のレオナルド・ディカプリオも好演だが,『Ray!』のジェイミー・フォックスの鬼気迫る演技の方が上だと思う。
視覚効果賞のノミネート 3候補からは,『デイ・アフター・トゥモロー』『ヴァン・ヘルシング』が漏れたのが残念だが,同じスタジオが重ならないようにとの政治的配慮が働いているのだろう。筆者は『アイ,ロボット』が他の 2作品より数段優れていると思うが,さて……。
■『JUON/呪怨』  :和製ホラーをハリウッド資本で日本人監督がリメイクし,全米1位になった記念すべき作品。快挙だ。オリジナルの恐怖を活かしつつ,ハリウッド流結末のこの映画も結構怖い。試写会で若い女性たちが「観るんじゃなかった…」と泣いていた。
■『ボーン・スプレマシー』 :第 1作目に劣らぬマット・デイモンの痛快アクション。隣席の姉ちゃんは「ジミー大西に似てるわぁ」と言っていたが(笑)。
■『マシニスト』
 : 30kg減量というクリスチャン・ベイルの痩身にただただ驚愕。結末は予想の範囲内。
■『サイドウェイ』 :『アビエイター』の対抗馬。洒脱で味のある映画ではあるが,絶賛するほどではない。どこの国にも,この程度の映画なら多数転がっている。
■『ホワイト・ライズ』 :男女 4人のすれ違いラブロマンスをミステリータッチで味つけている。上手い。
■『鉄人 28号』 :名作コミックの初実写映画化。昭和30年代のテレビ番組を思い出させる素朴・単純(幼稚?)な演出だが,これで入場料取る気か? |