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O plus E誌
2005年2月号掲載 |
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『ステップフォード・ワイフ』
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(パラマウント映画&
ドリームワークス映画
/UIP配給
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(C)2004 by Paramount Pictures and DreamWorks LLC |
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オフィシャルサイト[日本語][英語] |
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2004年12月27日 UIP試写室(大阪)
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[2月5日より六本木ヒルズほか全国TOHOシネコン系にて公開予定] |
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(注:本映画時評の評点は,上から  , , , の順で,その中間に をつけています。) |
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いい素材なのに,味つけもVFXも少し淡泊 |
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お気に入りのニコール・キッドマン主演のスタイリッシュ・スリラー,ティペット・スタジオがVFX担当,というから楽しみにしたのに,随分公開が遅れた。『コラテラル』や『ターミナル』に追い越されたからのようだ。 原作は『ローズマリーの赤ちゃん』で知られるアイラ・レヴィンが72年に発表したミステリー『ステップフォードの妻たち』(ハヤカワ文庫)で,1975年にはキャサリン・ロス主演で映画化されている。80年代にはTVシリーズもあったようだ。
キッドマンが演じるジョアンナ・エバハートは,ニューヨーク在住のTV局の敏腕プロデューサという輝くキャリア・ウーマン。担当番組から生じた事件の責任を取らされ,夫のウォルター(マシュー・ブロデリック)と共に辞職して,コネチカット州ステップフォードにやって来る。200年前にジョージ・ワシントンが築いた由緒ある美しい高級住宅地で,立ち並ぶ豪邸はハイテクでフル・オートメーション化されている。ウィリアムスバーグならともかく,こんな街は知らなかったなと思ったら,これはフィクションだった。 さて,その街に住む婦人たちは,全員時代錯誤とも思える花柄のワンピースを来ていて,いつも微笑を絶やさぬ(男性にとっての)完璧な妻たちばかりだった(写真1)。犯罪も貧困もないこの理想の街には隠された驚くべき秘密があった…。「衝撃的なエンディングの紹介は控えろ」との指示なので書く訳には行かないが,そんなに衝撃ではなく,ネタは直ぐ分かってしまう。少なくとも,住民は全員死人だった,なーんてことはない(笑)。 |
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写真1 奥様方は時代錯誤のファッションで勢揃い
(C)2004 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved
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残念ながら,VFX利用カットで掲載許可されたスチル写真は1枚もない。早々と登場するロボット犬ローバーがこの秘密のヒントだが,ちょっと可愛過ぎるデザインで大した出来ではない。70年代ならともかく,21世紀の現代ならもう少し様々なロボットを登場させても良かったかと思う。秘密の種明かしシーンもVFXならではの出番だが,これもさほどではない。 冒頭に流れる古くさい映像は上述のTVシリーズなのだろう。そこに描かれている家庭内オートメーションは,いま観ると滑稽ですらあるが,結構面白かった。それに対して,この映画のハイテクは玄関扉付近にタッチセンサ式の操作盤パネルがあるだけでつまらなかった。キッドマンの出演料に比べれば微々たるものだろうから,この辺りの大道具,小道具にはもっと製作費をかければずっと面白くなったと思われる。もったいない。 どのようにも料理できる好い素材なのに,この映画は何事にも中途半端で物足りない。もっとサスペンスを盛り上げ怖がらせても良かったのに,今イチだ。風刺コメディにするなら達者な脇役陣にもっと活躍させるべきなのに,セリフにもストーリーにもひねりがない。SFとして観るには,ハイテク設備の設定も造形も感心しない。監督のフランク・オズはパペット操作の出身で,『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(80)のヨーダの操作と声を担当した人物だが,そのキャリアは余り生きていない。 見どころを探すなら,60年代を彷彿とさせる街並みや衣装だろうか。グラミー賞歌手のフェイス・ヒルが妻たちの中に登場している。紳士クラブの会長役のクリストファー・ウォーケンの新興宗教の教祖的風貌はいかにもだし,その妻のグレン・クローズの地元名士の奥様ぶりもいい持ち味だった。 |
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